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財閥令嬢。 暇を持て余していて、ネットゲーム『7 Nights’ Chronicle』にご執心。ゲーム内の最高位ギルド『†NIGHTS of VIRTUE†』の中でも高い攻撃力を誇るユーザーとして有名である。 ハンドルネームは「サニー」 課金装備を振り回して日々バーチャルの世界で邁進している。 〜〜以外閲覧注意〜〜 ※『海も枯れるまで』HO2に関するパーソナルデータを含みます 柳生財閥の取締役、柳生宗一と愛人 御影ひなたとの間にできた子ども。宗一は世間体を気にして、ひなたと晴の存在をひた隠しにしてきた。 ひなたと晴は財閥の援助を受け田舎の小さな港町でひっそりと暮らしていたが、晴が6歳の時にひなたが交通事故で他界。身寄りのない晴は柳生財閥の離れで使用人と暮らすことになった。 使用人たちは不用意に晴に近づくなと命じられていたため、物心がついた頃には晴は孤独だった。 また、晴が10歳になる頃不景気のあおりを受けて、柳生財閥の経営が傾く。そこで宗一が目につけたのが晴の存在だった。晴はひなたによく似て美しい女だ。裏で政治家や企業の社長と関係を持たせることで、権力を掌握するのに有利だと考えた。 それから晴はさまざまな家を渡り歩いては、口に出すのもはばかられるような手酷い扱いを受けてきた。 気がつけば彼女は自分の人生に絶望していた。 この美貌も、立場も権力も、全てが憎い。 その時視界の端に簪があることに気がついた。 彼女は限界だった。 次の瞬間には手の甲に簪が突き刺さっていた。 ここで初めて、彼女は自分の「生」を実感する。 自傷が癖になってからは嫌な顔をする「相手」が増えた。 文字通り「傷モノ」の晴に価値はない。 利用価値の無くなった晴に宗一は見向きもしなくなった。 だからといって柳生家の血をひく者が路上でホームレス生活だなんて、マスコミに知れたら大事になる。 そう考えた宗一は東京郊外にある柳生邸別邸に彼女を隔離した。 ネットゲームに没頭しては、身体のあちこちを切りつけて運がよければ死ねないかなぁと考えている。 勇気のない自分が情けない。 死ぬ勇気さえない。 生物としての本能がそうさせるのか、ナイフはこれ以上すすまない。 こんな自分を、誰かが愛してくれるはずはないのだ。 ゲームのなかで英雄と称えられる「サニー」は この世界には存在しない。 願いが叶うとしたら、また海が見たい。 小さい頃に母と眺めたあの海を。

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