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高校2年生。元野球部セカンド。 小学中学と野球を続け、高校でも大好きな野球を続けるつもりだったが……大会前に交通事故に巻き込まれ足を負傷。 リハビリの末、通常生活を送れるようになるが、激しい運動は禁じられ野球部を続けられなくなり心に傷を負う。 毎日を死んだような目で過ごし、覇気もなく学校生活を送っていた。 とある放課後、その日も授業を淡々とこなし、終礼が終わっても自分の席に座って外を眺めていた。 その時だ、彼女に声を掛けられたのは。 はじめは自分の足のケガに対する罵声。でも彼女の言葉に反論できない。 彼女は両足が義足だったから。 彼女からしたらただの甘えに見えたのだろう。ただ、彼女なりの優しさもあったのかもしれない。 失ったものだけを見るのではなく、これから出来ることを探そうと思った。 今では新しい趣味も持って毎日を過ごしてる。相変わらず、野球は好きだけど。 者を作るというのも、結構夢中になれるものだ。 プラモデルに始まり、ボトルシップ、今はフィギュア作成に。 彼女のアドバイスにそのまま乗っかった感じだ。思ったより肌に合ったらしい。 ……いやまぁ、下心が無いとは言えないけどな。でも、楽しいのも本音だ。 いつか納得がいくものが出来たら、彼女に見せてあげたい。 そして、その時は心からのお礼を言いたい。ありがとうって。 「俺は日向　秀樹。事故で夢をあきらめた高校2年生だ。」 「当時はこれ以上ないくらい落ち込んで、友人にも腫物を触らないように教理を置かれたくらいだったが」 「綾瀬　真花(あやせ・まなか)、彼女のお陰で立ち直れた。」 「……果たしてあれは励ましだったのか、今でも疑問だが」 「彼女のお陰で俺は救われた。それは事実だ」 「あれ以来、彼女のことが気になって……いや正直に言うと惚れている」 「今まで漠然と彼女欲しいとか、可愛い子を見てエッチなことしたいとかは考えたことあったけどさ」 「恋というものは実際は分からなくて」 「でも今は彼女の事ばかり考えてしまう。そのたびに胸が苦しくなる」 「おそらくこれが恋、なんだろうなって気づいたんだ」 「その瞬間は無性に顔が熱くなって大変だったけど、きっとそういうものなんだろう」 「いずれあの時のお礼を……そして、出来ることなら思いを伝えたい」 「……ははっ、図らずも青春謳歌してるのかな俺は」

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