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「姉さんは幸せを感じている時が一番苦痛なんでしょう？だって姉さんも、幸福なんていつか壊れてしまうことを知っているんだから。その辛さを分かっているんだからね。でも大丈夫、だから僕が苦痛を感じない程度の安心をあげるよ。姉さんに少しの孤独を与えて、たまには一緒に道を踏み外したりして……からかっただけだよ」 「『この世は、考える者にとっては喜劇であり、感じる者にとっては悲劇である』らしいけれど、父さんはどっちの人間なんだろう？人を正すのが好きみたいだけど、他人のために涙を流してさ、気味が悪い」 「姉さんは自分の本心が分からないなら、僕だって自分の嘘が分からないさ！姉さんの話すことが全て嘘なら、僕の話すことは全て本心だよッ！だから全部を叶えるために、子供のままだと何も出来無いのに、それをそのままで居ろだなんて、それじゃあ一体僕は何なんだよッ！」 ■設定 ・双子の姉の菱神夜慧(ヒシガミ ヤエ)とは相互依存の関係。夜慧と決して離れることの無いようにと近付くあまりに、関係性を踏み外すことで安堵感を得ている、思春期真っ盛りの中学生双子。義親は警察官の菱神夕里(ヒシガミ ユウリ)だが、子供染みた大喧嘩の末に夜慧と共に家を飛び出す。辻斬り事件に巻き込まれ双子は行方不明として扱われているが、現在は京都に滞在し、医学者である麻木唯(アサギ ユイ)の元で世話になっている。 ・極限まで精神に傷を負った結果、人の話す言葉の本音と建前を致命的な程に理解してしまう性質を持つ様になる。また、双子共に「言霊を具現化する能力」に目覚めた。制限はあるが、日本刀で具現化した言霊を斬り、隠された言葉を繋げることが出来る。 ・夜慧のことを「姉さん」と呼び、夕里のことを「父さん」と呼ぶ。夜慧を自分の手で護るために早く大人になりたがっているが、精神年齢はまだまだ子供。クッソ生意気。 ・【継続シナリオ】[社会人編]罪と罰→羅生門 ■過去編/各シナリオを経ての心情変化 元は幸せな一般家庭で育つ、何処にでも居るような明るくて友人も多い男の子だった。永遠に続くかと思えた幸福は、ある日突然に終わりを迎える。怪奇事件に巻き込まれ、愛していた両親が死亡。最愛の双子の姉である夜慧と離れないためにと近付く余りに関係性を踏み外し、相互依存の関係に陥っている。夜慧を大切にするが故に周囲に過敏になり暴力沙汰を起こし続け、親族の間でたらい回しにされていた。 そうして孤児院で生活していた後、良くしてもらっていた関係者まで怪奇事件によって姿を消す。その怪奇事件の捜査に当たっていた、女の新米警察官である夕里に引き取られた。八当たりだとは理解しているが、自分の両親を護ることが出来なかった警察を酷く恨み、夕里にさえも暴力を振るう。それでも本心から朝樹と夜慧のことを想って涙を流し、深く踏み込んで自分達を叱ってくれる夕里には少しだけ心を開くようになった【社会人編CoC/罪と罰】。 夕里自身も大切な人を無くしていることは勘付いているが、何か事情があるらしいため詳細を追求する様なことはしていない。だが話を聞く限り夕里の大切な人は『見栄や建前』で自分を隠して生きているらしく、会ったことは無いが嫌っている。更にその人物のことを話す夕里の口振りからするに、夕里はその嘘吐き野郎の強さとやらを信じている様子で、如何にも気に入らない。なお、朝樹が夕里へ抱いている感情は恋心が一番近い。本人はそのことに気が付いていないし、する気も無いけれど【学生編CoC/少女の物語】。 夕里との子供染みた大喧嘩の末に、夜慧と共に家を飛び出した。親族の間でたらい回しにされていた時期、剣道を教えてくれた響(ヒビキ)の元を訪れるため、京都へ旅立つ。しかし京都では辻斬り事件が多発しており、響は行方不明となっていた。積極的に響の捜索を行ったが、その途中で自分達は響に裏切られたことを思い知る。『見栄や建前』で溢れた汚い世界に絶望し、必死に夜慧を護ろうと奮闘するが、その内に夜慧から「朝樹はずっと子供のままで居て」という本心からの願いを吐露される。何一つとして捨てることの出来無い唯の子供である朝樹は、早く大人になって全てを手に入れることを願っていた。しかし夜慧の願いを叶えることこそが朝樹の存在理由であり、気持ちの悪い矛盾から≪不定の狂気≫に陥る。 子供の朝樹でも夜慧を護ることが出来る様にと、日本刀を握る夜慧の右腕を切断。溢れ出す夜慧への醜い羨望感から、夜慧を「菱神朝樹」として殺害し、朝樹が「菱神夜慧」へと成り代わった。その直後に「菱神夜慧は菱神朝樹が居ないと生きていけない」という絶対的な心情から、朝樹は「菱神夜慧」として日本刀を胸に突き刺し自殺。「菱神朝樹」と「菱神夜慧」は生き絶えた。 この際に使われた名刀・鬼斬丸は持主である朝樹の生への強い執着を読み取り、双子を殺めず、大量出血による意識不明の状態で留める。唯の手で治癒を施された状態で目が覚め、夜慧の右腕には本物と見分けが付かない完璧な義手が付けられていた。「菱神朝樹」でも「菱神夜慧」でも無くなった自分達はこれからどう生きるべきなのだろうと、赤子の様な試行錯誤をしている状況にある【社会人編CoC/羅生門】。 なお、現在の朝樹の行動理由は「夜慧への罪悪感と懺悔心」。夜慧を護るために強くなることを願い、唯の力を借りて自身の左腕を捨て、そこに夜慧の右腕を移植することも考えている。 ■性格/人柄など 生意気で皆からの嫌われ者、他人同士の会話に煽り文句を挟むことが多い。それ故に相手を逆上させることも少なくなく、交友関係は殆ど無い。気に入らないものは自ら潰す綺麗なジャイアンなため、虐めには発展せず事無きを得ている。夜慧を第一に行動し、それ以外のものは簡単に切り捨ててしまう。夜慧以外のことには興味を示さない。 ⇒相手を怒らせたり怖がらせたりすることを好むのは、他人の『本音や本心』がその感情と一致しているのを見ると安心出来るため。また、元は人と関わることが好きな明るい性格だったため、人と繋がっておくことを捨て切ることが出来ないからである。 極限まで精神に傷を負った結果、人の話す言葉の本音と建前を致命的な程に理解してしまう性質を持つ様になる。また、双子共に【言霊を具現化する能力】に目覚めた。日本刀で具現化した言霊を斬り、隠された言葉を繋げることが出来る。ただし朝樹が具現化することが出来る言霊は『本音や本心』のみであり、夜慧が具現化することが出来る言霊は『見栄や建前』のみ。更に『見栄や建前』を斬り捨てることが出来るのは朝樹だけであり、踏み麦方式で『本音や本心』を斬り育てることが出来るのは夜慧だけである。まさに二人で一つ、一心同体。 周囲に対して暴力を振るう様になったのは、建前を口にしつつ本音は自分達を邪険にしている、汚い世界から夜慧を護るため。その中で出会った夕里だけは心の底から自分達を愛してくれていると気付き、半信半疑だが側に居ることにした。 朝樹は悪い風にしか捉えないが、勿論良い意味で他人の『本音や本心』も見抜くことも出来る。相手が激情し発狂中であっても、一歩引いた処から冷静に的確な言葉を投げ掛けることも。そのために人と関わった場合の精神分析や説得的な役割を担う。

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