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心優しくその人に合わせその人にしっかりと寄り添うことが出来るメンタルセラピスト。過去に事故に遭い左手左足がそれぞれ義手義足で左半身の至る所に火傷跡があるが、何ともないようにのうのうと生きている。喘息持ちの為薬は手放さない。 貯金をしているようでお金にも余裕があり仕事もそつなくこなす為安定した暮らしをしており、基本自分の生活には困ってないので周りを支えようとしている。人との関わりは好きでお話をするのもお世話するのも好きだが、自ら進んで関わろうとする訳では無い。性格は物静かと言うわけでも穏やかという訳でもないのだが、自分の心の声を漏らさず、常に誰かの気をつかい誰も傷つけることもしようとしなく、平和主義。仕事として受ける患者との対応以外(プライベートや社会での立場)では誰の味方にも敵にも付かず中立的立場を保つ。自己主張が恐ろしいと言っていいほど無く、基本の衣食住の生活以外は全て周りに合わせている。好きなものを聞いても流行りのものもしくは目の前にあるものでしか答えない、行きたい場所したい事将来の夢等を聞いても無いと答えるか逆に貴方はあるの？と質問し返されるか、さらには賛成か反対かの答えでさえどちらかを言わず沈黙を貫く。日常生活でも好みなどが現れることは無く、服は安物や古服、弁当は給食の献立のように毎日変わるバランスの整ったもの、部屋にも特に趣味のものが飾られても置かれても仕舞われても無い。その為個人的なものは、仲の良い人や長い間一緒に過ごしている人でもほとんどが知ることが出来ないほど。彼女の周りは平凡としか言いようがないものでつくられている。 ただ、彼女は全く物欲が無いわけでも、好きなもの嫌いなものが無いわけでも自己主張が全くできないわけでもなんでもない。それこそ心の底は、本当は「普通の女の子」である。好きなものも嫌いなものもちゃんとある。やりたい事、意志、価値観もある。 では何故そうなったか。 なにが彼女をそうするきっかけになったと言えば、彼女の家族と左手足を失うことになった事故が始まり。何不自由なく育ってきた彼女は、高校生になった時に少し小さな飲食店で爆発事件が起き、巻き込まれた。その際店内にいた家族や客、店員の全てが火傷や爆風で死亡したが、唯一彼女だけが残った。残ってしまった。犯人は捕まり、その後彼女の元には多額の慰謝料や家族の遺産などが渡る。その後、治療を受けながら無事社会復帰をする事になるはずだったのだが、そう上手くことが運ぶことがなかった。 その事故に巻き込まれたのはもちろん彼女だけではない。それにより、彼女以外の遺された遺族側の人から家族を失ったことによる悲しみの八つ当たり場として彼女へ降りかかった。何故貴方だけ生き残っている、生き残って沢山の慰謝料を貰い悠々と暮らすつもりか、一緒に居ればまた何かに巻き込まれて周りの人だけが殺される。そんなことを言われ追い詰められた。もちろん、助けを求めたが、「そんなこと言う人はいないだろう」と一蹴され、苦しみをわかってくれる人もいなかった。 それらを真に受けたか、それから学んだか、彼女は生活を一気に変えていく。誰からにも羨ましいや恵まれているなんてことを言わせまいと服や生活用品は最低限に安物に。趣味や嗜好品も全て買わず、ご飯も1日3食を守り間食もせず、必要な食材だけを買い好きなもの嫌いなものなどで偏りがでないように学校の給食や本などで覚え考えたバランスの良すぎる献立にして。友達や仕事仲間に呼ばれた時以外でどこかへ出かけることもせず。 人を傷つける立場にも攻撃される立場にも立たないように中立を保ち、自分の言動相手の気に細心の注意を払って対応し。我儘を言わず自分の意見を通さず相手の思うように進むように誘導する力を身につけて。 自分は何がしたかったのか。自分はどう生きていこうか。そんな事も忘れて『誰か』の気を伺って対応して。 そんなことを考えることも無くなって。そんな事ばかりを続けて。色んな楽しみが面白さが溢れる日々を、なんでもない日々のように過している。 髪の色と目の色の()の中は元の彼女の姿。

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