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「海も枯れるまで」HO1 終夜 水桃(よすがら みなも) 口数が少ない可憐な人。 都内在住、23歳。 職業は衣類のデザイナー。デザイナーとしてはそこそこ売れており、今着ている服も自分自身でデザインした服である。家に引き篭もりながら仕事をしている。特に男女兼用の衣類をデザインすることが多い。 すれ違っただけで目を離さなくなるような可憐な容姿の持ち主。儚い系美人。(APP18）海風で綺麗に靡く桃色のふんわりとした長髪に、深い海を思わせる虚な青い眼、首元にはチョーカーをつけ、日に焼けていない白い肌、華奢な手足を持つ。 一人称は「ボク」だが、容姿は女性。 放浪癖がある。訳もなくフラフラと何処かへ行きがち。特に海によく行く。四季問わず海をぼんやりと眺めることが好き。 口数が少なく、物静かだが、ハッキリと物事は言うことも。交友関係は狭いどころかほぼゼロと言ってもいいほど。仕事での連絡くらい。周りからは近付き難い高嶺の花だと思われることが多い。 -------------------------------------------------------------------- 以下「海も枯れるまで」HO1秘匿ネタバレ注意 -------------------------------------------------------------------- 「あなたはとても美しい自殺志願者である。」 父は不倫をし、ヒステリックを起こした母からは虐待を受けるという最悪な家庭環境で生まれ育つも、小学生の頃に父が家を出て行った後、母が事故で亡くなったため、その後は親戚の家をたらい回しにされることに。しかし、その数々の親戚の家で不幸が相次いだため、「終夜水桃に関わると不幸が降りかかる」と噂が立ち、腫れ物扱いをされるようになる。そのため、どの家でも無視をされたり、身体的にも精神的にも虐待をされたり、酷い時には手を出されそうになったりと、信頼をおける人が一切存在しない日々であった。 では学校では。こちらも散々なものであった。 人目を引く可憐な容姿や後述する理由から、悪目立ちをしてしまった水桃は除け者にされ、酷い虐めを受け、信頼できる友人はいなかった。 また、彼は性同一性障害である。 幼い頃より自身の戸籍に定められている男に不審を抱き、男らしく振る舞うことに疑問を抱き、髪は伸ばし、可愛い服や趣味を好み、女性らしい丁寧な口調・振る舞いを心がけた。 それを周りからは誰一人として理解されることはなく、むしろ気持ち悪がられ、それが親戚の家庭内や学校内での虐げのエスカレートにつながっていった。 そんな生活をしていたため、他人のことは信用できなくなり、誰に対しても不安、恐れを抱くようになってしまう。所謂対人恐怖症に陥ってしまう。 口数が少なく物静かで儚げな、人によれば冷たい印象を受ける彼であるが、いつも人に対する恐怖を胸の底深くへ隠しており、表には出さないが、本当はとても臆病な性格。 他人から強い口調で言葉を投げかけられること、責められること、嫌味を言われること、暴力を振るわれることが恐ろしく苦手で、常に他人の様子を伺っている。 自分と同じように性同一性障害に苦しむ人、そして何よりも自分自身のために、そういった人に配慮した服をデザインする職に就く。例えば男性らしい骨格を隠せる服などを作製している。 首元に包帯を巻いてある上にチョーカーをしているのは、喉仏を念入りに隠すため。包帯をしている理由は後述。 家の中では同居人の様子を伺うため耳を立てることが多く、つけられた怪我は自分で治すことが多かった。<聞き耳> <応急手当> また自分自身でなんとか今までは自分の心を律し、ここまで生きてきた。<精神分析> 信頼できて認めてくれる人も安心できていていいと認めてくれる場所もなかった。 ずっと1人であった。 そんな状況に耐え切れる筈もなく、ついに彼の、彼女の精神は崩壊してしまい、自殺を志願するようになる。 綺麗な海を早朝もしくは深夜の人気が少ない時間に眺めに行くのがルーティンになり、そのまま海に入ったり、または身投げをしたりと自殺を毎回図っている。しかし運が悪く、サーファーやら通行人などに発見されて助かったり、気づいたら浜辺に打ち上げられていたりと、毎度の如く失敗しており、死ぬことすら許されないのかと絶望している。海によく来る人達には、泳げないうっかり儚い系美人さんだと思われている。 自傷も多くしてしまうが、死に至る傷をつける前に気を失ってしまったりと尽く自殺には失敗している。そのため身体には傷が多く、首元にも包帯を巻いているが、それよりは寧ろ、自身の男らしい体型を隠すために、肌をあまり露出させない服を着用している。 生まれ変わって可愛い、いや可愛くなくてもいい、生物学上、「女性」として生まれたいと願っている。

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