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「ふぅむ……実に奇妙奇天烈摩訶不思議だ。理解不能と言い換えてもいいだろう」 雨午　竹乃（Takeno Ugo）（うご　たけの） 【人物紹介】 　若くして文壇に加わることになった作家。ペンネームは『咲間　葉雪（さくま　はゆき）』。 　物腰は丁寧で、小柄な体格と落ち着いたハスキーな声を持ち、中性的な雰囲気をまとう。 　神田区御茶ノ水の自宅に一人暮らししており、天涯孤独の身であるため交友関係は極めて狭い。 　愛称は『タケ』『竹の字』など。 　明治43年に親友である『咲間　葉雪』が何者かに殺され道端に遺棄される事件が起き、その真相を密かに追っている。 　警察の間では事件は半ば迷宮入りしており、事件当時に被害者の手に握られていた『金色の鍵』を何らかの手掛かりになると譲り受けた。 　これらの手がかりを元に親友の死の謎を明かすべく、竹乃は『取材』の名目で街中をほっつき歩く生活をしている。 　ペンネームの『咲間　葉雪』は、その決意を曲げないための竹乃の決意表明……なのかもしれない。 【著作】 　代表作は『鰹武士』。 　土佐藩の『働きたくない剣客』である主人公がひょんな縁から陰間茶屋（居酒屋併設の男娼売春宿）の用心棒として雇われることになり、それぞれの事情で身売りした陰間達や、（当時としては）大衆から受け入れられなかった料理を作り出す竈番などとの交流を重ねていく。 　昼間の厨房や清掃など雑用としての奮闘や、人気の陰間達の誘拐を企てる裏組織との死闘、摩訶不思議な心霊現象を解き明かす、店の常連となっていたかつての上司との邂逅、そして艶っぽい男娼たちとのロマンスが見せ場であり、それらが店主の日誌としての形式で綴られている。 　そのきめ細やかなかつ卑猥さを感じさせない描写と、斬新な設定と構成は大正時代の文壇に新風を注ぎ込んだ。 　また、作中の狂言回しである店主は男性でありながら女性口調の日誌を綴っており、作中の舞台も相まって『土佐日記』へのリスペクトも感じさせており、雨午は『大正の紀貫之』『今貫之』とも呼ばれている。 　余談だが、この作品が後の世（すなわち現代）にて発掘された当時、某趣味の界隈では江戸時代の陰間茶屋を舞台とした用心棒×陰間のX2U（意味深）な作品が『雨後の筍』の如く粗製乱造されたという。 　この作品は某SNSで3年ごとにバズっており、その度に『すべての腐女子の祖』と呼ばれている。 【雨午　竹乃の正体】 　その正体は、雨午家『長女』であり、幼少期は『お竹』の愛称で過ごした。 　竹乃は女性として生を受け、『父親：雨午　梅軒（うご　ばいけん）』『母親：雨午　ウメ（うご　うめ）』『弟：雨午　古松（うご　こまつ）』と共に過ごした。 　しかし、長男である弟が幼いころに流行り病で死亡してからは雨午家の跡取りとなるべく男性として育てられることになる。 　だが既に女性として弟の世話を焼いていた彼女に対して男性としての教育は遅すぎたといわざるを得ず、結果として女性の体を持ちながら男性でも女性でもない精神を持つという歪な人間になってしまった。 　作家を志したのは、その遅すぎた教育の過程で読み書きを身に着け、古今東西の小説を読み漁った際である。 　なお、その合間に近所の『風呂屋』を見学する機会があり、ここでの経験が著作『鰹武士』執筆の下地になっている（意味深） 　駿河神社の巫女である『咲間　葉雪』とは竹乃がまだ女性だった頃からの付き合いであり、お家の事情と自身の自己同一性との板挟みに苦悩する竹乃を最後まで支えてくれた親友でもある。 　葉雪が殺された当時の竹乃は、中途半端な精神教育によって『同性』である葉雪をちょうど『異性』として意識しはじめた時期であり、その矛盾に葛藤し始めた頃の事件でもあった。 　しかし葉雪の死を知った竹乃の心に芽生えたのは悲しみでも憎しみでも怒りでもなく、真実への探求心であった。 　なぜ、親友は殺されなければならなかったのか。 　その真相をつまびらかにしなければ、彼女の墓前に立つ資格すらないと竹乃は思った。 　ゆえにこそ資格を得るために、竹乃は調査を始めた。 　あの日置いてけぼりになってしまった、自身の矛盾した感情に決着をつけるために。 【イメージ発言集】 「ふぅむ……実に奇妙奇天烈摩訶不思議だ。理解不能と言い換えてもいいだろう」 「拙作を読んでくださったのですか」 「私はこちらの表現の方が好きですね」 「葉雪さんがなぜあのような殺され方をしたのか……私はそれをどうしても知りたい。……知らなければ、死んでも死にきれないのです」 （以下、下記シナリオのネタバレあり） ・大正浪漫X2U②大正文豪×現代探索者 ・大正浪漫X2U②大正文豪×現代探索者 　神田区御茶ノ水の自宅にて現代探索者『PC：狐ノ里　葉月』と邂逅。 　彼と同行し、世田谷の六角塔にて5年前に殺された親友『咲間　葉雪』の死の真相を知る。 　邪神の降臨を阻止し、現代に帰る葉月を見送った。 　その後は性別を偽ることをやめ、大正黎明期の女流作家として後世に語り伝えられることとなる。 　彼女がこの時期に執筆した著作として特に有名なのは『百年後の君へ』である。 　内容は友を喪った男が百年後から来た少年と友になる話で、全文量の3割は未来に帰った友への手紙という形で締めくくられている。 　なお、未来から来た友の描写はやけに真に迫っており『光る板を用いて情報を得る』という描写があり、明確にスマートホンを予言しているとして話題になった。 　　SAN 65→67 　　オカルト +6 　　C神話 +3 　　回避 +6

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