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私室にある物《年代物の書物、座机（引き出しに娘ちゃんとの英語の文通に使うシンプルな和紙の便箋）、万年筆、赤ペン、 　　　　　　　一面古い医学書や歴史的価値の高い文献だらけの本棚、解読待ちの怪しい書物（本棚の一か所に押し込めてある） 　　　　　　　和箪笥（和服や私服が詰められている）、未使用のお札（効果があるかは怪しい。座机の引き出しに有り。）》 鴨洲家の父。 人相が極めて悪く、普段も仏頂面からほとんど変わらない。 が、親しい人間…特に妻にはどんな感情なのかが読み取れるというのは長年連れ添った夫婦ゆえだろうか。 若い頃は学校の教師として働いていたが、 結婚後は古書店の店主、兼オカルトじみた話の専門家として 相談を受けたりといった、いわゆるゴーストバスターのようなものをしていた。 （とはいえ、実際は奇々怪々な現象を論理と口八丁で曲解し、相手を安心させるような…いわゆる詐欺に近い何かである。） 本人が納得し、現象に対して納得できるようになればそれでいいという考え方をしている。 体力は貧弱で、急な坂を歩くだけでも息が上がったりするほどであるが、 娘と息子は元気に育ったのは遺伝を超えるほどの妻の愛と、食事バランスなどの徹底ゆえであろうことは 想像に難くなく、またそのように献身的な妻をこよなく愛している。（傍からは仏頂面でそのようには見えないが） 理屈っぽく頑固な性格ではあるが、子供に粘り強く頼まれると 最初は難色を示すものの最後には条件付きで渋々……ということが多分にあったりする。 が、他人にはめっぽう辛辣かつ家内のことについて話題をほじくられれば静かに怒りをあらわにしたりする。（仏頂面で） ちなみに飼い犬のしろこさんにはなぜか懐かれている。 きっと家族がいないときにこっそりおやつを与えたりしているからだろう。見ていない所で甘やかしているのだ。（仏頂面で） 娘の奏楽とは幼い頃には一緒にお風呂に入っては潜水のような事をしていた。 水中でも相変わらずの仏頂面だったため、水中で奏楽が目を開けて父の顔を見た時には吹き出してしまっていたかもしれない。 現在は英語で文を交わしつつ、文法や表現で間違っている部分やより適切な語法に修正や指摘をしたりしつつ、 褒めて伸ばす方針で英語の能力を高めている。 妻との馴れ初めは、妻がストーカーに絡まれ、連れて行かれそうになったところをとがめた所が始まり。 得意の口八丁で、どれだけストーカー君が危機に立たされており今すぐこの場を去らなければ 自らの人生どころか父母祖父母にまで迷惑が掛かる上に社会から痛烈なバッシングを受け 今後身に降りかかる幸福一切をドブに捨てる行為をしようとしているかを、8割ほど誇張して言いくるめることで ストーカーを退散させ、帰りに正気に戻ったストーカー君に襲われることを考慮し、彼女の家まで送り届けた。 （その間、妻はどうやら春彦の仏頂面から栄養不足や体調を心配していた模様。） その後も何度か会うようになり、いつしか公園での逢瀬で自然と手を重ねるといったような 意外にもロマンチックな過程を経て、結婚したという。

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