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【バックヤード】 温室で花と共に育った、正真正銘の温室育ちの貴族の少女。 父の言いつけにより、何を目指す訳でもなく、日々、勉強に明け暮れていた。 彼女の生きていた当時は、国際紛争の最終期で、トランペッター家の屋敷から抜け出すことは固く、禁じられていた。親にも、使用人にも。 だから、ひたすらに勉強をし続けていた。時の止まった温室で、他に同年代の友人も、娯楽も無く、ただ一人、勉強をし続けた。 何が起こっているかというのも知らずに。何が待つとも知らずに。 ――とてつもなく大きな、大きな爆発音が聞こえた。 瞬間、熱波が押し寄せて、焼き尽くされて。 積み上げてきたものも、其処に有ったものも、何もかもが、吹き飛ばされ、 最後に残ったのは…、只の、燃え滓のみであった。 「………わたしの人生、なんだったんだろう？」 これが彼女の終わりで、始まり。 【ぱーそなる】 殆ど他人と会話をすることのない人生であったために、話そう話そうとするも、口下手で、何かと誤解をされがちである。 適切な表現方法がこれだと思ったら、そのまま口に出してしまう。 なので、天然の毒舌家と評されることもあった。 それと、これは生来のものではなかった筈なのだが…、知っていることでも知らないことでも、質問をし、確かめようとする癖のようなものが有る。 ズタボロに焼け焦げた何者かの翼と、細長い恐竜のような尻尾、何処から生えてきたかも分からない花々が、死んだ筈の彼女の躰を構成している。 そしてその小さな体躯には余りにも不格好な、巨大なチェーンソーと、熊撃ち銃を身に携えて、終わった世界を歩んでいく。

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