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安藤翡翠 (あんどう・ひすい) 「教えたところで分からないだろうけど」 「知らなきゃいい事の方が多いよ」 数学界では、その名を知らぬ大論文、アンドウの証明の筆者である。所謂ミレニアム懸賞問題を解いた男であり、現在は福岡の中学で非常勤講師をしている。 子供の頃から数学が好きであった。 実際、幼稚園に通う頃には、四則演算をマスターしており、小学校に通う頃には、対数表を暗記し始めていた。当時円周率を暗唱する子供の横で対数表とtanθを暗唱する翡翠の姿は教師からも恐れられていた。出る杭は打たれるが出きった杭は打てないのだ。有名私立中学校に奨学金を貰って入学し、日本の宝と崇められたが、事実家庭は冷えきり、ただ数式を書き続ける子供は両親の手に負えない怪物に成り果てていた。高校卒業後国外からのオファーも蹴って地元の国公立大学に進学。在学中に、アンドウの証明を執筆。ミレニアム懸賞の懸賞金で両親に恩を返そうとするも、帰ってきたのは、生ぬるい返事。可愛がられた弟と妹、兄としては認識されぬ、自分。 家族の態度の意味を知り落ち込んだまま大学にゆくと、目の前に初めて見る外国人がいた。 「やあ、初めまして僕はAR。君と話したかった」 「はぁ」 「なんだい、なんだい浮かない顔をして」 ARはそのまま続ける 「君は僕と同じ匂いがするね」 「同じ道に来る前に言っておくよ」 「大事なことは」 「知ろうとしないことだ」 「知ろうとしないことだ」 院試も免除される予定だったが、それを蹴って中学教師の仕事に就く。 あの時失っていた家族の代わりを探して。 数学 初期値5 数字の計算、もしくは目の前にある建造物の大きさや距離や幅を自分の身体を使いながら計算し大まかな数字を導き出せる。 そして、物事を数量的に捉えることができる学問とする。

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