タグ： ジョジョ

ジョジョは激怒した。 必ずかのミスカトニック大学が隠匿してきた謎を解き明かさなければならぬと決意した。 ジョジョには常識が分からぬ。 自由を愛し、自らの好奇心を満たしながら暮らしてきた。 けれども、隠された事柄に対しては人一番敏感であった。 今日未明、ジョジョはホームを出発し、海を越え国を超え百里離れた狂気山脈にやってきた。 南極にて謎の失踪を遂げたとされる旅客機。その座標の先に存在するとされる狂気山脈。 テレビジョンにてその情報を目にしたジョジョの脳裏には、ある友人の言葉が浮かんでいた。 ミスカトニック大学を嗅ぎまわっていた友人が零していた言葉。 「南極の奥地にはミスカトニック大学の秘奥がある」と。 どうせ流言蜚語、取るに足らない噂話の一つであろうと聞き流していたが、馬鹿にはできないようだ。 ひさしく感じることのなかった高揚感に駆られたジョジョは、探検家時代に培った人脈を用いて、ニュージーランド政府の高官と接触した。 ジョブズ・ジョースター――伝説的な冒険家として世界に名を轟かせた自分ならば、狂気山脈の山頂に至るにふさわしいとして。 しかし、ジョジョの目論見は叶わなかった。ニュージーランド政府は、既に高名な登山家達がそろっているとして、探検家であるジョジョを第一次登山隊の一員に加えてはくれなかったのだ。 それから暫くは、退屈な日常に埋没していたジョジョであったが、脳裏には狂気山脈のことがこびりついて離れなかった。 第一次登山隊壊滅の報。それが世界中のメディアを席巻した時、ジョジョの心に再び激情が迸った。 自分も死人の内の一人になっていたかもしれない恐怖。それ以上に、未知への好奇心で胸が張り裂けそうだった。 どうしても狂気山脈に足を踏み入れたいジョジョは、あらゆる伝手を用いて、世界的登山家であるケビン・キングストンに掛け合った。第二次登山隊の一員として、狂気山脈への挑戦権を手に入れたジョジョは、ミスカトニック大学の秘奥を解き明かすべく、第二次登山隊結成の地であるオーストラリアへと足を進めた。

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