タグ： 七野クトゥルフ

胡蝶、は胡蝶蘭ではなく胡蝶刀から。 また、本名ではなく偽名である。本名は華中 刀琉(カナカ カタル)。 彼はオカマという呼称が似合うが、正式にはシーメールである。 これらの単語が差別用語である事は百も承知だが、彼自身はもう「オカマで定着してるからなんでもいいだろ」との事。 上記口調の通り、性別としては完全に男性である。 自分が男性であることに疑問を持った事も無く、ただ単に「おっぱいが欲しい」や、そもそも「男性におっぱいがついていると興奮する」というマジモンの特殊性癖から豊胸手術を続けた存在が彼である。 恋愛対象は男女両方だが、そもそも女性に気持ち悪がられることが多いため、安牌として男性を選ぶ事もある。 だが、彼自身の人生というのは割と凄惨であり、母親の姉にあたる女性がスペイン人に嫁ぎ、子供をもうけたがその子供が行方不明となる。その母の姉は半狂乱といって差し支えなく、紅花も幼馴染を失った事で一時騒然とする。 だが、それらから紅花の親達が逃げるようにして収まり、彼自身も大人になり仕事をしはじめた頃。 その行方不明になった子供らしき存在が、その親を銃で殺す姿を目撃してしまう。 見るに堪えない姿になっていたその子供と、自分自身も豊胸や女装で別人になっていたその状況。 まさに"殺される”という状況で、紅花は言った。 「アンタ、辛かったのか？」 震えた声で告げた言葉は、決して相手を思いやったものではなく、混乱から吐き出されたものだった。 それを聞いた殺人鬼は、紅花の足元を撃ち、「……気持ち悪い」と。ただ一言そう言って、去っていった。 その後もその憎悪を煮詰めたような瞳は彼の脳に焼き付き、今でも消えていない。 それなのに彼は追ってしまう。その見た目に似るような、ウィッグやカラーコンタクトを付けるようになった。 きっとそれだけは消えることが無いのだろう。 よほどのことがなければ。

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