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阿傍 潮(あぼう うしお)
ID:3560526
MD:eee15147b1b67ed2003b2523472a7399
阿傍 潮(あぼう うしお)
タグ:
アオゾラ宅
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生まれ・能力値
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CON
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APP
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その他増加分
一時的増減
現在値
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CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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簡易表示
通常表示
技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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簡易表示
通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
%
%
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簡易表示
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
icv.吉野裕行 年収3000万、財産1億5千万 職業技能は犯罪者参考にしつつ好きなように取ってます。 ⬛2015特徴表より使用 ・3-4[戦士] あらゆる近接戦闘武器の基本成功率は50%である。 ・6-6[急速な回復力] 新陳代謝能力に優れている。耐久力を回復するロール結果に+1。 ⬛不定の狂気 10、強迫観念に取り付かれた行動(手を洗い続ける、祈る、 特定のリズムで歩く、割れ目をまたがない、銃を絶え間なくチェックし続けるなど) 1d6カ月または1d6卓→3ヶ月 ナイフをこまめに研ぎます。 ⬛通過シナリオ 「ドロップアウトディスパイア」<SAN>65→46→54 <ナイフ>+5 <拳銃>+3 【簡単なPC紹介】 破壊衝動のまま人を殺し、殺しを楽しむ快楽殺人鬼。初めての殺しは9歳のとき。興味があって色んな殺し方を試してみたが、刃物で刺し殺すのが一番お気に入り。理由は人を刺すときの感触がたまらないから。君には殺しの才能があると裏社会の人間に誘われ、「人を殺せんならなんでもいい」と殺し屋となった。人が苦痛に顔を歪める顔が好き。 幼少期は孤児院にいて汚い言葉遣いを覚えてしまったが、6歳のとき医者の金持ちに養子として引き取られて躾られたため、がさつにしていても、たまにフォークやナイフの使い方などに育ちの良さがにじみ出たりする。阿傍という苗字は、養子として引き取られた家のもの。野生児のような見た目からは想像しがたいが、豪邸に住んでいる。 虹彩異色症(後天的)、いわゆるオッドアイ。 腹立つことは数あれど、悲しいという感情が分からず、泣いたことがない。人を愛する感情も、よく分からない。 性格はわがまま、反抗的、気分屋。でも司(HO1)に言われれば、舌打ちしながらも従う…はず。 昔の出来事から、我慢とマナーとルールは嫌い。クソ喰らえ。好物は肉、特に牛肉。 「俺はガキんとき無口なほうだったんだぜ。嘘じゃねえって」と言うわりには、よくしゃべる殺人鬼。 ※※※閲覧注意※※※ ここから虐待・強姦の表現があります。 【孤児院時代】 外国人に強姦され、できた子供が潮。妻が強姦されたことを知った夫は、その事実に耐えきれず家族のもとから去り、精神を病んだ母親は潮を産んですぐに自殺した。潮が産まれたとき、潮には6歳上の姉、満(みちる)がおり、残された二人は孤児院に引き取られることになった。しかし、その孤児院では、子供にろくに食事を与えられていない、虐待がおこなわれているなど、子供が人間扱いされていなかった。そのため孤児院にいた頃、二人は体のあちこち痣だらけで、いつもお腹を空かせていた。優しい姉は、幼い潮に自分の食べ物をよく分け与えた。潮も与えられるだけじゃなく、物心つくようになると、こっそり職員たちの持っている食べ物を盗むようになった。最初のうちは、ばれることが多く、手酷い仕置きを受けることもあったが、開封されていないものは狙わない、少量しか取らないなど、数をこなすごとに知恵をつけていった。あまりにお腹が減りすぎているときは、そのへんに生えている草を口にすることもあった。そんな生活をしていたため、潮の身体は栄養失調気味ではあったが、生命力が強いのか、幼いながらしぶとく生きていた。 あるとき職員から暴力を振るわれそうになった姉を庇い、顔面を強く殴打される。その際、拳がもろに左の眼球に当たったことにより、角膜が大きく傷つき、左目の視力が著しく低下。角膜の奥にある虹彩まで損傷した影響で、左の目の色も元の緑色から黄色へと変色してしまった。それ以来、潮はほとんど右目だけで生活するようになる。 勉強もろくに教えてもらえなかったせいか、劣悪な環境に置かれたストレスからか、潮は6歳になっても口がきけず、周りに馬鹿にされていた。そんな中、姉の満だけが「潮は私より、よっぽど賢い」と言っていた。 【養子時代】 潮が6歳のとき、姉の満に養子縁組の話が持ち上がる。養子縁組を申し出てきたのは、代々医師家系の家の夫妻だった。50歳を超える夫妻は、この歳まで子供に恵まれず、もう子供を産むのは厳しいだろうという理由で、養子を取ることにしたらしい。最初は満だけという話だったが、姉が説得したらしく弟の潮も引き取られることになった。 養父の阿傍 栄寿(あぼう ひでとし)は大きな病院の院長で相当金を持っているらしく、敷地の広い豪邸に住んでいた。獅子王家の子供となってから二人は食事に困ることはなくなった。けれども、満と潮への養父母の視線は冷たく、とてもじゃないが、そこに愛情は感じられなかった。屋敷に来た初日など、食事の際に食べ物を鷲掴みにして食べ始めた潮に、養父は眉を吊り上げて、潮の手を叩き、「これだから孤児は」と吐き捨てた。「この家の人間になった以上、ある程度の教養は身につけろ」と養父は厳しく言った。それからというもの、満と潮が何か粗相をすると怒り、躾と称して鞭で打った。口のきけない潮が無言のまま養父を睨みつけると、「なんだ、その目は!」と余計に強く打たれた。姉のほうは暴力を振るわれることは少なかったが、反抗的な潮は、養父の癪に障ったらしかった。夫が子供に暴力を振るうのを、養母は離れたところから眺めているだけで止めはしなかった。養母のほうは暴力は振るわなかったが、掃除などの雑用を押し付け、二人をまるで奴隷のように扱った。養子となってからも、二人に対する扱いは孤児院にいた頃とあまり変わらないのだった。 屋敷には書庫があり、膨大な医学関係の書物が並んでいた。孤児院には、ろくな本はなかった。知識に飢えていた潮は書庫にこもって本に夢中になった。それも二年ですべて読み終えてしまうと、潮は新たな本を求めて養父の書斎に忍び込んだ。しかし、すぐに養父にばれて、「二度と入るんじゃあない!」と、こっぴどく鞭で叩かれた。 十分な食事が取れて以前より元気になった潮とは反対に、屋敷に来てからというものの、なぜか姉の体調は悪くなっていった。何度か病院に入院していたこともあった。それと関係あるかは分からないが、時々、姉が養父の部屋に連れ込まれることがあった。潮が問うように姉の顔をじっと見つめても「勉強を教えてもらっているだけ」と姉は言った。 ある日、いつものように養父の部屋から出てきた姉が、潮に奇妙なことを言った。「我慢ばかりさせてごめんね。明日からは、潮の好きに生きていいよ」潮が癇癪を起こしそうになると、姉は「我慢しなさい」と言い聞かせた。好きに生きていい、なんて言われたのは潮にとって初めてのことだった。その翌日、姉は高所から落ちて亡くなった。養子としてこの家に来てから3年、15歳という若さでの死だった。転落防止柵が脆くなっていたために触れた拍子に崩れて、落ちてしまったのだろうと警察は事故死として扱った。亡くなる前、姉は自分の角膜を提供するためドナー登録していた。自分が死んだら弟に角膜を移植してほしいという姉の希望もあったことから、潮の左目に姉の角膜が移植されることになった。手術は成功し、潮の左目の視力は回復した。目はよく見えるようになったが、その頃から潮は虫の羽音が聞こえるようになった。しかし辺りを見渡しても、どこにも虫など見当たらない。(※神話生物とは関係ありません) 養父母は世間の手前、子供を亡くして悲しみに打ちひしがれたふりをしていたが、陰では「養子のくせに死後の後始末を俺たちにさせるとは、いい迷惑だ」と文句を垂れていた。皆が姉は事故死だと信じて疑わない中、潮はどうも腑に落ちないでいた。注意深かった姉が、脆くなっていた柵に気づかず手をかけるなんてことがあるだろうか。死ぬ前日、姉が自分に「好きに生きていい」と妙なことを言っていたのも、気にかかっていた。姉の部屋に行くと部屋は生前のままだった。養父母は、姉が死んでから一度も部屋に入っていないらしかった。部屋を調べていると、床板が少しずれている部分があるのに気づく。床板を取って中に手を突っ込んでみると、隠すように押し込まれた一冊のノートがでてきた。読み進めると、それは姉の日記であることが分かった。 孤児院が病院と結託して臓器売買をおこなっているのを、姉は職員たちの話を立ち聞きして知っていた。だから自分に養子縁組の話が持ち上がったとき、相手は子供を望んでいるのでなく自分の臓器が欲しいのだろうと分かった。それゆえ養子縁組の際、二つの条件を呑んでくれるなら自分の臓器を提供してもいいと姉は養父に取引を持ちかけた。その二つの条件とは、第一に、弟も一緒に引き取ること。第二に、弟の目を治すための手術費用を出すことである。姉は自分を庇ったために弟の左目が見えなくなってしまったことを、ずっと気に病んでいたのだ。姉の提案に養父は渋い顔をしたものの、よっぽど臓器がほしかったらしく承諾した。姉が養子となり、臓器を提供したあと、養父は約束通り弟の角膜移植の希望を出した。しかし日本では、まだドナーが少ないため、すぐには見つからない。 姉が13歳になった頃、姉は養父に部屋に連れ込まれ、身体を触られた。嫌がり抵抗すると養父に殴られた。そのおぞましい行為は部屋に連れ込まれるたびに、だんだんとエスカレートしていき、2年もの間続いた。誰かに相談することを考えたこともあるが、幼い弟の未来を思えば、姉は公にすることもできなかった。やがて15歳になり、姉は遅い初潮が訪れたことにより、自分も母親のように望まない子供を産み、精神を病んで自殺するかもしれないと不安を抱くようになった。姉は自分の子供を自分たちと同じ境遇にしたくなかった。そうなる前に、姉は自殺を決意した。けれど、できることなら自分の角膜を弟にあげたかった。自殺では親族に優先提供は行われない。学校帰りの橋の柵が脆くなっているのを思い出した姉は、それを利用して事故死に見せかけることにした。 『最後まで一緒にいてあげられなくてごめんね。私が潮にあげられるものなんて、もうあんまり残ってないけど、せめて私の目だけでも潮にあげる』 日記の最後は、そう締めくくられていた。 日記を読み、姉の全容を知った潮は苛立ちを隠しもせずギリギリと歯軋りした。誰が目をくれだなんて頼んだ?と潮は衝動に任せて左目を搔きむしりたくなったが、姉の死が無駄になるので、どうにか我慢した。勝手に死にやがって、と潮はむしゃくしゃした。(※悲しむことができない潮なりの愛情表現です) 潮は以前、書斎に忍び込んだとき養父がこっぴどく怒っていたことを思い出した。養父が仕事で家にいない日中の間に、潮は養父の書斎の再び忍び込んだ。潮は本棚から一冊のファイルを見つける。そこには姉の裸の写真が何枚もファイルされていた。気持ち悪くなって、潮はゴミ箱に吐いた。聞こえてくる虫の羽音は、さらにひどくなり、頭がズキズキと傷んだ。 ある夜、虫の羽音がうるさくて寝れず、潮は夜中にベッドから抜け出した。水を飲みたくてキッチンに向かおうとすると、リビングの扉の隙間から明かりが漏れているのに気づく。潮が扉の隙間から中をうかがうと、養父母がソファに座って酒を飲んでいた。「あいつが肝臓を提供してくれたおかげで、俺は今でもこうして上手い酒が飲める」「調子に乗って飲みすぎると、また肝臓を悪くするわよ」「そのときは、また誰かから、もらえばいいさ。そうだな、今度は弟の臓器をもらうか!」「でも、あの子、薄汚いわ…感染病でも持っていそう」養父母は、そんな会話をして、げらげら笑っていた。潮は、こぶしを握り締めた。 潮はずっと暴れたくて暴れたくて仕方なかった。実際、孤児院にいた頃、癇癪を起こして職員を病院送りにしたこともあった。だが、姉が我慢しろと言うから、ずっとその衝動を抑え込んでいた。だが、いつまで我慢すればいいのだろう。もう姉はいなくなってしまった。我慢する必要など、あるのだろうか。姉は、死ぬ前日「好きに生きていい」と言っていた。 また頭の中で虫の羽音が大きくなるのを、うっとおしく思いながら、潮は不意に思い出す。花に群がる害虫を駆除していた庭師に姉が、どうして虫を殺すのかと聞いたことがある。庭師はこう答えた。「そうしねえと、どんどん植物が虫に食い荒らされて、終いには枯れちまうからですよ」虫の羽音は、まだ頭の中で鳴り響いている。このままでは、とても寝つけそうにない。 そうだ──“害虫”は駆除しなければ。 リビングで養父が酔いつぶれたのを見計らい、潮はキッチンから取った果物ナイフを背後に隠し持って、起きている養母に近寄った。養父が一度酔い潰れると、なかなか起きないことは知っていた。ソファに座って酔いの余韻にふけっていた養母は、目の前に立つ潮の存在に気づいて「…なんだい」と穢らわしいとばかりに顔を歪めた。そんな養母の腕を潮はいきなりナイフで切りつけた。養母は悲鳴をあげて「何するんだい!」と立ち上がろうとするが、養母はがくっとその場に崩れ落ちた。何が起きたのか分からないでいる養母を見て潮は呆れた顔をした。「何って……上腕部の動脈を切ったんだよ。本に書いてあった。1分で30リットルの血液が流れ出る。医者の妻のくせに、そんなことも分からないのか?」饒舌にものを言う潮の姿に養母は驚いたように目を見開くが、すぐに意識が朦朧としてきて、その場に倒れ伏してしまった。養母が息を引き取るまで、潮は観察でもするかのように養母をじっと見下ろしていた。 次に寝ている養父に馬乗りになると、いきなり腹を突き刺した。突然襲いかかった苦痛に養父は「ぎゃあああ!」と叫び声をあげて目を覚ました。自分に馬乗りになって自分の腹を突き刺している息子が真っ先に視界に入り、状況が分からぬまま養父が顔を横に向けると、目をかっぴらいたまま、すでに事切れている妻の死体を目撃する。「っ、あ?」混乱していると、潮に包丁を抜かれて、その苦痛にまた悲鳴をあげる。「なんだ、あれは、お前が、お前がやったのか?なんて、ことだ。お前、こんなことして、許されると思ってるのか?ただじゃおかないぞ!」泣き喚く養父に「うるせえ」と潮が言葉を発すると、養父は目を見開いた。「お前、しゃべれないんじゃあ…」「あ?お前らの前でしゃべんなかっただけだよ」口がきけないと思われていた潮だが、本当はずっと前からしゃべることができた。ただ口を開くと相手を逆撫でして、暴力を振るわれることは目に見えていた。その対象が自分だけなら気にしないが、姉にまで被害が及ぶことを考えて、大人たちの前ではしゃべらなかっただけだった。「騙していたのか!」と怒りに震える養父に「勝手に勘違いしたのはそっちだろうが」と潮は返す。「はぁー…こっちはずっと我慢我慢我慢で気が狂いそうだったんだ…でも、もう我慢する理由もねえ…」ぞっとするほど冷えきった潮の目が、養父を見下ろす。「このっ…化け物め!」と養父は潮を罵った。「ああ、俺は化け物だよ。だけどよォ、じゃあ、あんたたちは人間と言えんのか?子供食いもんにして、やがて死に至らしめるお前たちは……害虫そのものじゃねえか」そう言ってから、潮はにやり口角を上げる。「この世に蔓延る害虫は一匹残らず駆除しねえと…なァ…」「ひっ、やめ…」制止の声も聞かず、潮は気が済むまで、何度も何度も養父を突き刺した。終わったあと、あれだけうるさかった虫の羽音は聞こえなくなっていた。すっきりして、とてもいい気分だった。そうか、だから養父も施設の大人たちもみんな暴力を振ったのかと潮はようやく理解した。 潮は切り裂いた養父の体から移植された姉の肝臓を取り出すと、姉が好きだった花が咲いてる庭に埋めてやった。姉の一部を、あの養父の肉体の中に残しておくのは、なんとなく不愉快だった。屋敷内に戻ると、潮は証拠隠滅に取りかかった。刺さった包丁の柄の指紋をふき取り、返り血のついていない綺麗な服に着替えたあと、車庫にあったガソリンタンクを頑張って運び、死体がよく燃えるよう中のガソリンをぶちまけ、屋敷に火をつけた。それから疑われないために自分の腹にナイフを突き立て、抜かないまま外に出た。近所の人間が潮を見つけて、救急車を呼んだ。病院で目が覚めたあと、潮は警察に事情を聞かれた。潮は、養父が「みんなで死のう」と言っていきなり自分と養母にナイフを突き刺して、屋敷中にガソリンをまき始め、自身もガソリンを被ったあと屋敷に火を放ったと話した。潮がガソリンをまいたおかげで、死体は跡形もなく燃えて、証拠は残らなかった。養女を亡くしたばかりで養父が最近落ち込んでいたという周りの証言もあり、警察は潮の言うとおり、養父が無理心中をはかったのだろうと信じた。 【その後】 養父母が死んだことにより、潮は多額の財産を相続することになり、潮に未成年後見人がついた。成人するまでは、その後見人と暮らすことになった。数年は落ち着いていた潮だったが、中学に上がり、どうしようもないクズを見ると、また殺したい衝動に駆られ、我慢し続けていると頭の中で虫の羽音が聞こえるようになった。気に入らない人間を殺せば、虫の羽音は消えた。そんなことを繰り返した。 高校を卒業してから潮は、後見人が司法関係者であったことから、それを利用して臓器売買に関わっていた人間を調べ上げ、次々と殺していった。かつて自分と姉がいた施設の職員たちも殺した。施設にいた頃は幼かったため、施設の名前や住所などを知らず、どこの施設なのか調べるのに少し時間がかかった。職員を殺したあと、残された施設の子供の一人が「僕も殺して」と泣いて懇願したことにより、生かしておいてもこいつらは生きていけないと判断し、慈悲として施設の子供も一人残らず始末する。殺しを楽しんできた潮だが、子供を殺したときだけは気分がよくなかった。その後、さすがの後見人も潮を不審に思って調べてしまい、潮が大量に人を殺した事実を知ってしまう。潮は後見人の前では大人しい性格を装い、普通に付き合っていたが、後見人は真実を知った途端に怯えた目つきになり、こっそり警察に通報しようとしたため、潮は仕方なく殺して山に埋めた。成人した潮は持っている財産で、姉の臓器を埋めた敷地に新たに屋敷を立てて、そこで暮らすようになった。 【司(HO1)との出会い】 今から6年前、気に入らない男を見つけて衝動的に路地裏で殺した際、少女に目撃されてしまう。逃げようと後ずさる少女に潮は獲物を追い詰めようと本能的に駆け出し、距離を詰め、手に持っていたナイフを振るう。それをよけようとした少女は片足が悪いらしく、足がもつれてその場に倒れてしまうが、それが功を奏して潮のナイフは少女の顔をかすめただけですんだ。しかし、すぐさま潮は少女の体の上に跨り、殺そうとナイフを振り上げる。「お嬢ちゃん。運が悪かったと思って諦めな」にたりと笑い、ナイフを振り下ろそうとする潮だったが、地面に転がっていた瓦礫を隠し持っていた少女に突然顔を切りつけられる。ぽた、ぽた、と少女の顔に潮の血が垂れる。「あ?」じんじんと襲う痛みに潮は不思議そうに顔に手を触れ、手についた血を見て、やっと自分が目の前の少女に切りつけられたのだと自覚する。潮は幼少期、暴力を受けて体が痣だらけになることはあっても、手術以外で人に切りつけられた経験はなかった。(興味から自分で自分の体を試しに切ってみたことは何度かある)初めてのことに潮はぞくぞくとした。「ギャハハハハ!この俺の顔に傷をつけるたぁ、おもしれぇなァ、お嬢ちゃん!気分がいいから、てめえは特別さくっと殺してやるよォ!」そう言って今度こそ少女を殺そうとする潮だったが、ぐうう、とその場に鳴り響く音にぴたりと動きを止める。「…今の、てめえの腹の音か?」よく見ると少女は痩せていて、あまり食べているようには見えなかった。施設にいた痩せ細った子供を殺したときのことを思い出し、潮は舌打ちした。「チッ…興が削がれた」潮は少女の体の上からどいた。「おい、腹減ってんだろ。食いに行くぞ」殺されるって思って身構えていた少女は、きょとんとする。「どうした?俺の奢りだ。なんか不満でもあんのか?」いらいらしたように言う潮に、少女は、はっとして首を横にふるふる振る。「いい、のか?」「あぁ?奢るっつってんだろ?」少女は殺さないでいいのか?という意味で言ったのだが、潮と会話が噛み合わない。ついていくにしても、そのまま店に行ったら目立つだろうと思い「傷、目立たないか」と少女が指摘するも「あー…そういや、そんなもんあったな。ま、顔の傷はフード深く被っとけば、ばれねーだろ」と潮はそれほど気にした様子もない。少女の傷は浅かったが、潮の傷は深かった。「そのまま放置は衛生的に良くないと、おもう」と少女に言われ、小煩いガキだなと潮は思ったが、なんとなく姉を思い出させるのだった。「へえへえ、適当に縫っときゃいいだろ」と潮は懐から医療用の縫合セットを取り出すと、自分の顔の傷を大雑把に縫い合わせた。「てめえのも縫ってやろうか?」と潮は少女に聞くが、その様子を見ていた少女は首を横に振った。そのあと二人はハンバーガーを買って道端に座り込んで食べ始めた。「ところでよォ、お前、あんな場所で何してたんだ?」自分みたいなのがいる治安が悪い場所に、こんな少女がいるのを潮は不思議に思った。「死に場所を探していたの」「なんだァ、てめえ死にたかったのか?さっきは逃げやがったくせに。乱暴なのは好みじゃないってか?だったら今度は痛みが比較的少ねえ方法で殺してやろうか?」「違う、そうじゃない。ほんとは、ただ逃げたかたんだ。つらい現状から。だから、死のうとした……けど、いざその時が迫ると……生に、すがりついた」「ふーん、逃げたきゃ逃げりゃあいいじゃねえか。死ぬ必要なんてねえだろ。腹が鳴るのは、てめえの体も生きたがってる証だろ」「逃げればいい…………けど、逃げる場所がわからないんだ。……何処に居たらいいのか、わからない」「わからないねえ…じゃあ、うち来るかァ?…なぁーんてな!」潮は冗談のつもりだったが、「…お言葉に甘えようかな」という言葉が返ってきて唖然とした。「は?正気か?俺は一度てめえを殺そうとしたんだぜ?」「顔に傷つけたまま、住居に戻れないし、帰りたくないから……責任取ってほしいな」「図々しいガキだな、お前…でも、嫌いじゃねえぜ!いいぜ、うちに置いてやるよ。だが、俺は気まぐれだからなァ。お前のこと、やっぱり殺したくて我慢できずにやっちまうかもしれねえぜ?」潮は悪そうな顔で、にやにや笑う。「その時は存分に生かせてもらうよ」と少女は笑った。「…そういや、まだ名前聞いてなかったな。俺は潮。てめえは?」少女は火ヶ啼 司と名乗った。潮が建て直した広い豪邸に、それから司も住むようになった。建物は立派でも、潮は片付けや掃除なとが嫌いだったため、屋敷の中はゴミが散らかっていたが、住まわせてもらってる身だからと司が掃除をしてくれた。潮は料理ができず、食べれりゃあなんでもいいと思っていたが、司が作ってくれる料理が思いのほか美味しかったため、すっかり胃袋をつかまされてしまった。結局、潮が少女を再び殺そうなんて思うことはなかった。 HO1との付き合いが長いので、ここまで書かれた内容をHO1は知っていていいと思います。 【殺す対象に遺書を書かせる意味】※相方には終わるまで秘匿部分 姉は自分の死が事故によるものでなく自殺だと知られないために日記を隠したはずだ。自殺だと知られれば、弟に角膜を譲ることができないのだから。自殺の線を警察に少しでも疑われていれば、姉の部屋はくまなく調べられ、日記も見つかってしまっていただろう。そう考えると死ぬ前に証拠となる日記を燃やして消してしまったほうがいいに決まってるのに、姉がそうせずに日記をあんなところに隠していた理由が潮にはずっと分からない。あの日記は途中から誰かに読まれることを意識した文面に変わっていた。潮へ当てたような言葉もあった。日記とは本来、誰かに読ませることを想定していないもののはずなのに。あれは、いわば遺書のようなものだった。なぜ、そんなものを姉は残したのか。姉の気持ちが分からない潮は、殺す対象に遺書を書かせることによって当時の姉の気持ちを知ろうとしている。殺す対象に遺書を書かせるようになったのは、高校に上がってから。学校で生徒が遺書を書いて屋上から飛び降り自殺した事件があった際、なぜ人間は遺書なんて書くのかと潮は不思議に思った。死んだら、みんなそれで終わりだろうにと。遺書を書かせる理由について司(HO1)には教えておらず、「ただの気まぐれだ」と言っている。書かせた遺書の行方については、どうでもいいので司に任せている。 【遺書の内容】 白い封筒に2枚紙が入っている。封筒の表には、でっかく「遺書」とぶっきらぼうな文字で書かれ、裏には「司以外が読んだらぶっ殺す!!」と書き殴られている。 以下、文面。 1枚目 「 よう、司。 まさかこの俺が自分で遺書を書く日が来ようとはなァ。なんで書こうなんて思ったかは…まあ、いつもの気まぐれだ。 俺はいつ殺されてもおかしくねえ。俺はいつだって好き勝手に殺してきたし、それで逆に自分が殺されたって文句は言わねえよ。まあ、殺されてやる気はさらさらねえがなァ。うっかり死んじまったら、てめえとはさよならだ。てめえとは、それなりに長い付き合いだし、挨拶くらいはしてってやるよ。遺書を書くやつの気持ちっても知りたかったしな。俺が殺しの対象に遺書書かせんのも、それが理由だ。昔てめえに聞かれたときは、ただの気まぐれ、なんつって言ったっけ?そんな些細なこと忘れろ忘れろ。 前に、俺の姉貴が死んだもろもろの話、したことがあるよな。くだらねえ話だから、お前は忘れちまったかもしれねえけど。 姉の満は、俺に角膜をやるために事故死に見せかけて死んだ。俺は部屋に隠してあった満の日記でそれを知った。自殺者からの親族への優先提供は行われねえっつう法律があってな。だから満は、自分の死を事故死に見せかける必要があったんだが…それならどうして日記を燃やすなりして消さなかったんだ?万が一、日記がみつかっちまえば、自殺だったってバレちまうのによ。おまけに途中から読まれるのを意識したみてえに、俺に向けたような言葉もある。満がどうしてそんな意味のねえことをしたのか、俺は理解できなかった。殺しの対象に遺書を書かせれば、満の考えてたことが分かるかもしれねえと思って、やってはいたが、結局今も分からず終いだ。こうして自分も誰かに当てた遺書を書きゃあ、なんかつかめるんじゃねえかと少し期待したが……やっぱ分かりそうにねえな!あー、無駄なことしたわ。なあ…死ぬ前に満の考えてたこと、お前にだったら分かんのか?まあ、この遺書読まれてるってことは俺は死んでんだろうし、ここで聞いたって意味ねえけどな。 けど、角膜を俺にくれた満の気持ちは、なんとなくだが分かったような気がする。もし俺が死んで、俺の片脚をてめえにくれてやって、てめえの脚が治るっつうんなら、そりゃ使やあいいんじゃねえのって思う。現実的にそんなこたぁできねえんだから、たとえばの話だ。てめえの細っこい体に、俺のごつい脚が生えてたら気持ちわりぃ…うげ、想像すんじゃなかったぜ……。要するに、どうせ死んじまったら終わりなんだし、そのあと俺の遺体がどうなろうが俺はどーでもいいし、再利用できんなら使えばいいんじゃねえのって話。俺は満と違って、他人のために死んだりなんかはしねえけど。 てめえのことは気に入ってるから、てめえには、俺のなんかをくれてやってもいいかもなって思っただけだ。だから俺の金、てめえにやるよ。いざってときに警察から身を潜めるために用意してた拠点がある。ある程度の金をそこに隠してあっから、欲しかったら使いな。俺に家族はいねえし、俺が死んだあとにその金国に回収されちまうのも癪だかんな。 てめえとの暮らしは、それなりに楽しかったぜ。心残りなんてもんはねえが…てめえの飯、もう食えなくなんのは、ちょっとばかし惜しい気はすんな。 つーわけで、これで本当にお別れってわけだ。せいぜい長生きしろよ、司ちゃん。」 2枚目 「あばよ!!」と紙の一面にでっかく書いてある。 【PLによるPCの分析】 姉というストッパーがなくなり、止まらなくなってしまった殺人鬼という感じ。 虫の羽音のようなものが頭の中で聞こえるようになったのは、孤児院にいた頃、職員から受けた暴行で頭に衝撃が加えられた影響でしょう。よくある話です。 潮はイライラはしても、キレやすいということはありません。我慢はできる。ただしないだけ。潮が殺したいと思うほどの人間は、よっぽどのクズに当たります。それでも殺すことを我慢することはできますが、その人間が身近な人間で、ずっとその人間のクズっぷりを見せつけられると潮は我慢のしすぎで虫の羽音が聞こえてきて、うるさいから殺すってなります。最近はそういう状態に置かれていないので、そんな音は聞こえてきません。 姉が潮の左目を、ずっと気にしていたのは、施設にいた頃、姉として弟を守りながらも「この子が生まれこなければ、家族が壊れずに済んだかもしれないのに」と潮を恨みがましく思ってしまったことが何度かあるからです。そんな自分を庇い、左目の視力を失った幼い潮に罪悪感を覚えていました。当時、姉も幼かったですし、あんな状況で弟を恨みがましく思ってしまうのも仕方ないと思います。 哀と愛が欠けている子ですが、完全に愛がないってわけでもないです。姉が死んだときに怒りを覚えたのも、施設の子供たちを慈悲から殺したのも、そこに愛情があるから。本人は愛が分からないと言いますが、表現の仕方が分からないだけで、私は潮の心の奥底にも愛はあると思います。 余談、引き取られる前の苗字は愛瀬(あいせ)であり、名前と繋げると「愛せ潮」となります。皮肉ですね。養子縁組先の苗字「阿傍(あぼう)」は、地獄の獄卒、阿傍羅刹から取っています。 口調 「我慢した結果、自滅すんのは馬鹿のするこった。死んじまうくらいなら、はなっから我慢しなきゃあいいんだ」 「俺の死に方は俺が決めんだよ」 「このクソみてえな世の中をぶっ壊してやる」
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