タグ： ひややっこ🌹 オリジナル

【詳細】 壊滅的なネーミングセンスと派手な外見が特徴的な今一部で話題になっているラッパー。テレビ出演もしたことが有り、馬鹿な性格とノリの良さで揺るがない人気を誇る。五人組のヒップホップグループ【THE REVERSE's】《ザ・リバーズ》のボーカルとラップを両方務めて居る。メンバーの作曲も努めており、本人はセンスの理由にしているが、頭が柔いため作詞も努めている。ただし、勉強はしてこなかったタイプの為、知識を取り入れるのに苦労する。 待ち受けの犬は実家の飼い犬であり、家族構成は両親と妹と犬、現在は独り暮らししており、結婚を控えた彼女が居る。 そんな明るい彼も、寂しがり屋な印象を齎せることがあり、犬のように愛されたがりなのかもしれない。 【詳細】 彼の家族構成は父と、妹。 家庭内暴力が原因で母は逃げ出し、子供だけが取り残された。 本名は三浦海。海のように深く、穏やかな人になってほしいと意味で付けられた。母は優しい人になって欲しかったらしい。だが、本人は浅田空と名乗っている。 海は家庭内暴力どころか相手にもされなかった。そこにいるように扱われて来なかったので、冷蔵から冷えた物を取って、生ゴミから食べられるものを取って生きていた。 そんな海を気遣うのは妹だった。妹は全身が青痣だらけで、時折全裸のときもあった。 だが、海は彼女が妹で有ることも、家族で有ることも教えてもらったことが無かった。 ただ、食事をくれる人であり、ある種彼にとっての母だった。 逃げる事どころか、その発想すら無かった。 彼は賢かったが人の心には疎く、自己防衛的だった。部屋の端っこで暗闇に怯えながら声を出さないように、父に認識されないようにする日々だった。全てを妹に押し付けていた、その自覚もあった。 そうしていくうちに、妹は喋れなくなっていき、赤子のようになっていき、そのうち髪も抜けるようになってきた。 それでも自分への食事を持ってくることは欠かさない彼女が、海は恐ろしくてたまらなくなり、そのうち食事も喉に通らなくなっていた。 大人たちが迎えに来る頃には、妹は既に自分で立つこともままならなかった。 自分も随分と衰弱していたが、驚くほど冷静に、沈着に大人たちに接していた。大人びた子供だとは周囲から思われていた。 彼には夢というものがなかった。そのため何事にも意欲的になれず、学校にかよえるようになっても窓外を眺めているばかりだった。 その頃には妹のことばかり考えていた。必ず妹の世話をして、話をして、だが友人が増えるたびにそれも億劫になっていた。 海には自分以外に大切なものがなかった。 それを見透かしていたのか否か、妹は泣いて自分に乞うた。愛していると乞うた、抱いてほしいと乞うた、キスをして欲しいと乞うた。 何故か断りきれなかった。 自分が一番卑怯だと分かっていながら、逃げることしかできなかった。それも、妹と体の関係を持ってからだ。 海は人の感情には疎かったが、機嫌を取るのは上手い人間で、馬鹿な良いやつを装って4人の女性と同時に関係を持った。きっと、妹から逃げるため。愛されないため、愛するだけの立場でいるため。そうすれば深い感情を抱かなくて済むから。 彼は嘘だらけだ。誰もを愛し、愛される彼は何処にもいない。無償の愛が一番嫌い。 「煙草はあんまり吸わないんだよな。」 ──彼はヘビースモーカーである。 「見てよ、うちの実家の犬かわいいだろ。」 ──拾い物の画像だ。 「俺もうじき結婚するんだ。」 ──もう何年相手を待たせてる？ 「俺が愛すのは一人だけだよ。」 ──四人の女は誰のためのもの？ 「ああ、この傷。ちょっと打っただけ。」 ──これが根性焼きとわかる人間は少ない。 「俺、馬鹿だからさぁ。」 ──賢い人。 手の甲には根性焼き、光の通らない瞳は隠して、煙草で緩やかな自殺。 似合う言葉は自暴自棄。 そんな彼が唯一信用しているのは、音楽だ。 音楽は自分に将来をくれた。 音楽は自分に自信をくれた。 音楽は自分に才能を発揮させた。 音楽は自分の生活をくれた。 音楽を好んでいることだけは、裏切らない本当の気持ち。

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