タグ： 遺伝子の探索者

わたし/あなた、呼び捨て 日に焼けていない真っ白な肌に、キラキラと光る薄水色の髪の少女。 一見すると十字が入った不思議な目に見えるが、近づいてしっかり見ると瞳孔が四つに分裂している。後天性の多瞳孔症。幼い頃の怪我が原因である。 いつもにこにこしており、優しく、困った人がいるとすぐに声をかけてくる。……くるのだが、彼女自身が非常に世間知らずなこともあり、役に立ったことはほとんどない。寄り添っていつまでも話を聞いてくれる程度のことはしてくれる。 怪我をした時と、朝晩眠りから覚めた時・眠りに落ちる時に祈りを捧げる。物心ついた頃から染み付いたものであり、いつも欠かさない。 自分の血には怪我を治す力があると言う。……本人も信じてはおらず、また、その話になると口篭りがちになるが。仲良くなれば、そういう「教え」だから、そう信じないといけないのだと話してくれるだろう。 好きな人や愛する人が出来ることに少し怯えている節がある。 父親を幼い頃に無くしたため、片親状態。 物事を諦観しており、望んだことは叶わないのが当然だと思っている。また、良くも悪くも自分が人とは違い特別だと思っている節がある。 幼い頃からそう教えられて育ってきたので…… ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 萌ゆ芸香の花　頽堕委靡の身　纏うは忸怩たる如き甘やかな芳香　嗚呼、靡怩香　麗しき乙女 （芽吹くヘンルーダの花　日々尽き行く身体　その身に纏うのは心中で恥入るかのような甘い香り　あぁ、メディカ　美しき少女よ） 水面に揺蕩う絹の髪　濁世の罪を取り払い数多の穢れ担いて流れ逝く 嗚呼、靡怩香　慈悲深き乙女 我らに安寧を与え給え 嗚呼、靡怩香　あえかなり乙女 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 彼女の来歴 新興宗教の教祖で司祭をする両親の元に生誕 ↓ 司祭を継ぎ、宗教を率いさせるための英才教育が始まる。 ↓ 経典に記された儀式の際に振るわれた暴力により眼球に傷を負い、多瞳孔に。片目が分裂したのを見て「これは象徴として使える」と思った母親がもう片目にも傷を負わせ、結局両目の瞳孔が分離した。以降、メディカは神の生まれ変わり、母は聖母として信者集めに使われるように。 ↓ 義務教育なので渋々小学校に通わされる。 ↓ 父親が他界。母親のヒステリーが悪化。メディカの精神状態も悪化。母親からの束縛と期待と暴力も悪化。 ↓ 虐められつつ避けられつつ、教師からも「宗教してる家の子は……」と腫れ物のようにされながら小学校卒業、中学生へ。 ↓ 不登校がちになりながらも時々通う学校で初恋。 ↓ 数少ない、優しくしてくれた同級生に初恋。しかし初恋の相手が幼さ故の万能感で入信の振りをして救おうとするも、母親に目をつけられ、彼女よりも宗教の方にのめり込み出す。 ↓ 初恋の相手が狂信の果てに投身自殺。情緒がぶっ壊れて色々な物を諦観するように。この頃から自殺願望を抱き始める。 ↓ 象徴としていいように使われながら日々を過ごす。必要としてくる母親や信者たちを切り捨てることもできないまま、中学校を卒業。ほぼ不登校のまま卒業した。 ↓ 高校には進学させて貰えず、代わりに家の中に篭って祝詞を上げ続けたり経典を読み続けたり儀式と称した暴力を振るわれたりする。どうせ生傷に隠れてバレないからと時々の自傷行為。 ↓ 諦観に満ちるメディカを見てようやく洗脳が終わったと思ったのか、時々母が外に彼女を連れ出すように。信者を得るための三文芝居をうたされたり、滝行させられたり、山奥の建物で合宿させられたりする。当人は興味もないので言われるがまま従ってた。 ↓ 今に至る。自殺未遂は数しれず。どこなら死にに行ってもバレないか。どうやれば止められる前に死ねるかをいつも考えながら唯唯諾諾と宗教に利用されながら生きている。 ″ユウゼン教″と言う名の新興宗教の教祖をする両親の元に生まれる。その美しい見目故、産まれた時から信仰を深めるための道具として扱われてきた。 母親が金稼ぎと承認欲求のために作り始めたものであり、父はお飾りのように付き従い入信しているだけである。信者の数はそこそこ。 警察などに目をつけられるほどではないものの、儀式の中には法に触れるようなものも多々ある。しかし、言い訳のような理由を付けているとはいえ、逆らえぬ人を傷つけることで自身や信者の鬱憤を晴らすための儀式に過ぎない。 母親はヒステリー。父親は優しさを装った無関心。経典に従い虐げられる心身の中、それでも幼さ故に優しく見えた父の背に縋って生きていたが、小学生の時に″教えに忠実ではなかったため神罰″に打たれ他界。 それに加えて初恋の人が、哀れな彼女のために彼女の母親へと立ち向かい、しかし母の狂気に引き摺られ入信、信仰の末に彼女の事を眼中から無くした挙句、狂った果てに身を投げたこともあり、拠り所を次々と無くした彼女の精神は限界を迎えている。 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ とりとめもないメモとか 「貴方は将来この宗教を率いる者だから」と、最低限の義務教育である中学校の卒業と同時に家に籠るばかりの生活を送ることになる。そもそも中学校自体も″家庭の都合″で欠席が非常に多く、半ば中退……もとい、義務教育なので不登校扱いだったのだが。 そのため、非常に世間知らず。買い物の仕組みや電車の乗り方等、日常生活を送れる程度の知識はあるものの、いざ話してみると浮世離れした言動をすることもしばしば。ニュースやドラマは見たことがなく、本などは自身の宗教にまつわるもの以外はほとんど読んだことがない。 また、その瞳故に小学校では避けられ、虐められており、友人も特におらず余計に周りのことを知らなかった。 中学校卒業後は母親から情報を制限されながら遅々としつつも学び育った。 常に笑みを浮かべ、困る人がいれば優しく手を広げる。しかし広げた腕は救済のための腕ではなく、ただこの世に救いなど無いという絶望と諦観故、少しでも寂しくないようにと抱きしめる為だけの、何も出来ない腕である。

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