タグ： 平凡

「何故か、何故かわたしはこうなのだ」 何事でも取り組めるが、いとも容易く全てを完遂するがために興味を持てない人間。 人より劣りたくないという思いから、いやその思いだけで勉学に励み、全てを知っても満足できない。 「如何してわたしはこう成った？」 兼部の鬼。 どんな部活にも所属していて、そのどこでも完璧をこなす幽霊部員。勉学も、つい最近まで主席だった。 「考えられて仕舞うから怖いんだ」 人と違うこと。それを彼女は知りたかった。人と違くなろうとして、汎譜はこうなった。 しかし。人と違うと分かった瞬間、彼女は努力をやめる。いや、自分こそが人とは違うのだ。 それを知って、彼女は諦める。潰える。栄光の舞台から、消える。去る。 「左様なら」 その力を失おう。 メガネを掛けた汎譜は、平凡になる。 化粧をした汎譜は、普通になる。 感覚をシャットアウトした汎譜は、並になる。 「汎譜だよ～。今日もよろしくね～！」 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ある部活での秤汎譜。彼女は――普通で、平凡だった。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ