タグ： 桧垣 クトゥルフ

イメージフラワー：ヘリクリサム(花言葉：永遠の思い出、いつまでも続く喜び) イメージカラー：トマトレッド(#ea5550) 高校1年生。アメリカからの帰国子女でプロテスタントのキリスト教徒。 親の反対を押し切ってこの春に単身で帰国した。 アメリカでは飛び級をして大学まで卒業してきたが、日本の国文学教育を一から受けたいという思いがあり、また日本での一人暮らしは認められないという親の言いつけに従い、同年代の子供と同じように寮生高校に通っている。 生まれつき＜喜び＞の感情が欠如していた。それを象徴するエピソードは以下の通りである。 エレメンタリースクール1年生のサプライズ誕生日会でクラスメイトに祝われても無反応な蓮人に先生が「どうしてお礼を言わないの？」と聞いたところ、彼はこう言葉を発した。 「どうして？　だってお礼って、心が温かくなった時に言うものでしょ？　自分に嘘はつきたくないし、お礼を言わなきゃいけないならプレゼントも返すよ」 当然クラスメイト達は怒り、中には泣きじゃくる者もいた。しかし蓮人には何がいけなかったのか分からない。家に帰って両親に事細かに言い聞かされて初めて、自分には人が持っているべき感情が欠落していることを自覚する。 両親はこの欠陥に彼が小さな頃から気づいており、あえてナーサリースクールに通わせずに庇護下に置いていたことをこの時になって後悔することとなる。結果として周囲も、蓮人本人も深く傷つけることになってしまったのだから。 前述の経緯から人を観察し、「普通の人ならここで喜ぶ」「こうすれば人は自分を好ましく思う」という想像と実践を徹底した結果、蓮人は凄まじく元気なコミュ強に育った。その過程で並々ならぬ洞察力と演技力を身につける。また、取り繕いきれなかった際にせめて＜喜び＞を感じていないという本心を隠すことも上手くなった。 どんなに柔らかな笑顔を浮かべている時も彼の心は常に冷めており、自分で作った頑健な壁に囲まれて日々孤独を噛み締めている。 そんな受難の日々を送る中で、初めて得た＜喜び＞の手がかりが「咲間葉雪(さくま はゆき)」の小説であった。 コロンビア大学で日本文学の教鞭を取っている父の書斎には沢山の日本文学が並んでいた。日本語の勉強も兼ねて現代のものから少しずつ手をつけていた蓮人はジュニアハイスクール時代、大正近代文学の棚に手を伸ばす。 文豪らの著作に心惹かれず、次の本が面白くなかったならもうこの棚から選ぶのはやめよう、そう思っていた折に手に取ったのが咲間葉雪の「牡丹雪」であった。 停留所で待ち人を待つ女が、しんしんと降りしきる雪の中に「待ち人」と「女」の出会いから今までの幻想を見る。細雪はやがて牡丹雪に変わっていく。 最後の一頁をめくった時、頬をしっとりとした雪が撫でた気がした。あの感覚を蓮人は決して忘れない。 本物の四季を、咲間が描いた情景を肌で感じたい。その想いだけで蓮人は日本への進学を決めた。 彼のレントが終わり、復活祭の季節——‬春が訪れるのかは神のみぞ知るところである。 【特徴表】 ・鋼の筋力　ダメージボーナスが1段階向上する 0→1d4 アメリカで陽キャらしく短距離走を頑張っていた。 ・幸運のお守り 幸運のお守り(『牡丹雪』の文庫本)を持っている。身につけている限りPOW+1。もし手放したり紛失したりすれば不運を招きPOW-1。POWの増減により〈幸運〉値は変化するが正気度ポイントは変動しない。

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