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柳沢空(ヤナギサワ・ソラ) SNSでのアカウント名：ソラ 一人称：僕、二人称：～さん 音大に通う1年生。大空のように、広い心で、自由に生きて欲しいと願って名づけられた。 だが、幼い頃から身体が弱く、病気にかかることも多かったため、ほぼ必然的に両親が過保護気味になった。 「あの子は少し乱暴な子で危ないから、一緒に遊ばないでね。」 「きっと空には楽器が似合うだろうから、ピアノとかやってみるといいんじゃないか。」 「空はこんなに上手なんだから、音大に通って、音楽の道に進みましょ。」 こうした環境で育った空は、人よりも自立心が成長せず、周囲の人に依存しがちになってしまった。 何か選択を迫られると、自分では答えを出せず、他人の意見を求めてしまう。 それは、今日の昼食から自分の将来の進路まで、内容がどんなものであれ、他者依存性は変わらない。 空には誰にも言えていない秘密がある。 小学生の頃、空はまだ今ほどの他者依存はなかった。 身体は弱かったものの、活発に学校の友人と外で遊び回っていた。 ある日の放課後、その日もいつものように友人と公園で遊ぼうとしていた。 何をして遊ぶか話し合っていた中で、サッカーかドッジボールか、全員が決めかねていた。 グループのリーダーが偶然隣にいた空に何気なく尋ねる。 「空、どっちやりたい？みんなどっちでもいいんだけど。」 空も何気なく直感的に答える。 「じゃあ、サッカーやりたい！」 そして始まった試合の中盤、空の蹴ったボールがコート外に出てしまう。 そのままボールは転々と車道まで転がっていく。 それを見て、取ってくるよとリーダーの少年が向かう。 ボールを拾い上げようと車道に出た瞬間。 走行してきたトラックに彼は衝突し、その身体はバラバラに弾けるように飛んでいく。 あまりにショッキングな出来事に空含め全員が立ち尽くしていた。 事故直後の記憶は欠落してしまったようで、気づくと空は家にいた。 この事故の後で現場にいた友人たちに話を聞くと、同様にショックの余り事故前後の記憶がないらしい。 しかし、空は不運にもしっかりと覚えてしまっていた。 自分がサッカーをやりたいと言ってしまったこと、自分がボールを車道に出してしまったこと。 自分があんな選択を取らなければ、彼は死ななかっただろう。 この心の傷は、大学生になった今でも深く残っている。 こうした両親の過保護、幼少期のトラウマが彼を自由恐怖症に陥れてしまった。 空にとって、ピアノを弾くことは、「楽譜をなぞる作業」である。 いや、そうしかできないと言った方が正しいだろう。 かの有名ピアニスト達は、それぞれの表現力を生かして、自由で、壮大で、繊細な演奏をする。 しかし、そうした演奏をすることは空には苦痛にしかならない。 音を自由に表現しようとすると、自身の中で無数の選択肢が浮かんできて、瞬時に処理しきれず、頭が真っ白になってしまうのだ。 そして、そうした状況を少しでも想像しただけで、恐怖すら感じてしまう。 自由への恐怖を取り除かなければ、ピアニストとしての今後の成長は見込めないだろう。 ※一部技能について 製作(作曲)→空は自由な状況に恐怖してしまうため、作曲はできない。しかし、作曲方法についての知識は持っていることからフレーバー程度に振った。 応急手当→手を怪我してしまった場合に、自身でファーストエイドを行えるように、両親に言われて勉強したものである。 キック・跳躍→サッカーが好きだった頃の名残。 信用→他者依存を始めるには、相手に自分のことを信用してもらうことから。 歴史→特に音楽史について、音大で勉強するため。また、歴史は今後変化のないものを学ぶという意味で自由度がなく、恐怖を覚える必要がないため。

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