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●橘花 桂悟(たちばな けいご) ｢五月まつ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする｣ ○男 /25(29)歳/ 182cm/ 65kg ○誕生日:10月25日/さそり座/O型 誕生石:オパール 職業:フリーター (後 古物商) 得意なこと:ゲーセンのゲーム 【通過シナリオ】 初恋性ストックホルム症候群_KPC_生還_1/24 【モチーフ】 銀木犀 (秋の花 開花時期 9〜10月) 花橘 (開花 4〜5月 橘の花は夏の季語 橘は秋の季語) 並べ替えると桂花(銀木犀の別名) 銀木犀:｢初恋｣｢高潔｣｢あなたの気を引く｣ 花橘:｢追憶｣｢永遠｣｢不老不死｣ 【過去】 呉服屋の両親の元に生まれる。 父はそこそこの歴史がある呉服屋、母は生け花の師範という和の名門家系に生まれた。 小さな頃から和食料理、和裁、生け花、着付け…と、日本文化について叩き込まれていた。 料理をするのは嫌いじゃなかった。 不器用ながらに努力した。 植物が好きだった。 花橘の匂いが1番好きだった。 庭の池に散った花のひとひらが浮く瞬間はなんとも言えない美しさがあった。 着物が好きだった。着崩して着たらもっとオシャレかもしれないってそう思った。 中高を難なく卒業し、大学は専門学校に入学。服飾美術系を専攻し、着付け師。和裁士資格をなんとか手に入れる。ついでに洋服も学んだ。 25歳、秋。一目惚れをする。 お相手は年上の29歳、美術品修復、売買取引をやっている店 ｢瞞｣ の店主。畠 まやか だ。 銀木犀の控えめな香がくすぐる、街角の小さな花屋で…青年は初恋をした。 綺麗な長い髪、線の細い体。 彼には、飾りすぎない秋薔薇が似合うと思った。 そして彼は まやか が折れてくれるまでの1年間、毎日｢瞞｣に通い続けることになる。 最初は興味が無いと言われた。 彼は海外の物が好きで、日本の物は好まないらしかった。 自分からは隠しきれない日本人感があるらしい。そりゃあそうだ、日本文化の名門家だし。 ｢ならばあなたの色に染まるまでのこと。 振り向いてもらえるまで、俺頑張るから。｣ 1年間。 不器用ながらレシピと睨めっこをして洋食を覚えた。手はズタボロになったけれど、彼が喜んでくれるなら。 花への見聞を深めた。彼は植物が好きだから。 気付けば生け花を応用してフラワーアレンジメントも学んだ。フラワーデザインが楽しくなっていった。 ひたすら色んな場所の美術館を回った。 洋画について沢山調べた。洋服を勉強した。 彼の隣に居たいから。 何度も何度も告白をしてはフラれ、告白をしてはフラれを繰り返した。 彼にアタックして数ヶ月。呉服屋の実家から飛び出した。彼に振り向いて欲しくて、自分の家業を捨ててフリーターになった。 アルバイトをかけ持ちしては彼のお店に通う毎日、だがそう簡単に生活は続かなかった。 フリーターで一人暮らし、生活費を払っていくだけですら厳しいのに美術館巡り等で出費がかさむ日々。見栄を張って｢瞞｣から商品を買うことも多々あった。それが身を滅ぼしてしまったのだ。頑張り過ぎで体調を崩してしまった。 …彼にうつすのは嫌だ。 会いたいけど仕方ない。 …寂しい。 毎日通っていた｢瞞｣に行くのを辞めた。 彼のボロアパートには釣り合わない、｢瞞｣から購入した美術品だけが大事に大事に置かれているだけの物が少ない部屋。 ひたすら練習して数日に１回変えていた生花のアレンジメントがだんだん色褪せてきている。 ｢馬鹿だなぁ、振り向いて貰えるわけないのに。こんなにも彼1色で、本当に馬鹿だ。｣ 震える体を毛布で巻いて抱きしめながら、自己嫌悪に陥っていると家のチャイムが鳴った。 ドアスコープを除けば、いつものまやかが立っていた。驚いたものの、うつしたくないとドア越しに話した。 どうやら毎日来ていたのにここ1週間一切来なくなって流石に心配になったようだ。 ｢常連だから｣といって彼は看病してくれた。 ｢少しは気を引けました？｣ そう言ったら呆れたような顔をされた後、少し優しく笑ったような気がした。 元気になって数日後、店先で懲りずにまた告白をした。断られるだろうと思っていた。 ｢まやかさん、好きです。 …付き合ってください。｣ ｢いいよ。｣ ｢…やっぱダメですよね…、え？｣ ｢いいよって言った。｣ 笑顔と一緒に涙が出てきて、思わず抱き締めたら困ったように笑われた。 店先で告白をしたことに後悔するのはまたその後のこと。 …… 彼と婚約をした。 5月14日、婚約記念日だ。 頑張ってお金を貯めて、シルバーリングを買った。 背伸びして買った、青い石を内側に埋め込んだ、飾りすぎない指輪だ。 あなたに似合うと、花橘の香りがする香水を贈った。橘は永遠を指し、ミカン科はよく結婚式でも使われる花だ。海外なら寛容だから挙式をしようと言おうと思ったら、彼から言い出してくれた。世界の誰よりも幸せだった。 全てが上手くいくって、そう思っていた。 2人で出かけるはずなのに、貴方を目の前で失うことになるなんて思ってなかったんだ。 大好きだよ。 時間を超えても、どこに行っても。 あなたの為ならいくらでも。どこへでも。 何度だって。 AF『片割れのないペアアクセサリー』 どこにも片割れが見つからない、そんなペアアクセサリー。KPCに対する愛情が消えない限り、あなたの回避に+10%のボーナス。そしてあなたがKPCのためにいちばんよく使う技能に+10%のボーナス。 もうどこにもいない彼が唯一残したあなたへの愛情の証。

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