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FHの研究施設から救い出され、UGNチルドレンとして教育を受けた少女。 華奢な体つきをしているが、その心には正義に燃える心を持っている。 だが、それも最初からそうであった訳ではない。 チルドレンとしての教育を受ける最中、彼女は極度の人見知りで、戦うのも恐かった。 彼女が変われたのはきっと、初めて一緒の戦場に立った「あの人」のお陰だろう。 「あの人」のお陰で前を向けた。伸びきっていた髪も切って、整えるようになった。 だから、「あの人」たちが幸せを享受できるように、自らの名の通り「幸」を届ける者として彼女は戦い続ける。 ちなみに、名字は最初の任務で付けられた偽名をそのまま使用している。彼女にとっては特に意味のあるものではない。 現時点では親と呼べる存在はおらず、そういう存在と会ったならば正気ではいられないかもしれないと懸念している。 戦闘スタイルは重力の増加により、敵を遅くしたり、押し潰したりする。 ･････････････ だが、それは本当の彼女ではない。いや、彼女の一部でしかないと言うべきか。 それはUGNチルドレンとして彼女が日に日に成長しているときのことだった。ふと、彼女の記憶が鮮明に蘇る。 見たこともないはずの慰霊碑。そして、何故かそこへと通じることが出来るディメンジョンゲート。 UGNに迷惑を掛けまいと、隙を見て一人でそこへと向かった。それが彼女の分かれ目となる。 そこで彼女は一人の女性と出会った。髪と瞳の色は異なるが、それは紛れもなく幸子の成長した姿。 女性は彼女の姿を見て、小さく微笑んで、その場を後にしようとした。 しかし、幸子は女性の微笑みで全てを思い出す。澪川 天城【ｵﾘｼﾞﾅﾙ】の全てを。 彼女が世界の争いを根絶しようとしていることを。そのために泥を被り続けていることを。 幸子が敵対するFHセルによって生み出された彼女のクローンであることを。 天城が幸子の存在を知ったとき、レネゲイドとは関係のない場所で暮らせるように奪還しようとして、失敗したことを。 そのときの、悔しそうで、涙で濡れていて、それなのに、暖かかったあの表情を。 天城は再会した幸子に今の場所を大切にするようにと告げる。でも、幸子はそれを否定した。 だって、あの表情を裏切れるはずがない。この人は、誰よりも幸せにならなければならない。 「あの人」が私を変えてくれたのは分かっている。 それでも、幸子は天城を選んだ。 そう簡単に割り切れないことも分かっている。でも、そのときが来たら、幸子は悔やみながらも、ダブルクロスと化すのだろう。 新しく、母に与えられたコードネーム、絶対停滞【ｱﾌﾞｿﾘｭｰﾄﾌﾘｰｽﾞ】の名の下に。 記憶の復活と共に、母親の氷の力をﾊﾞﾛｰﾙの能力により再現することが可能となった。 それは彼女の持つ、減速の能力を最大出力にした際に現れる分子運動の停止。完全なる停止は絶対零度を意味する。それが彼女の真の力。

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