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～プロローグ～ 今から10年前、日之影霞の父親「日依(ﾋﾖﾘ)」が死亡した。彼女の父親はとある理由で会社を解雇され、生活に困り闇金に手を出してしまう。その後利子がかさみ、ある日妻の「雨汐(ｳｼｵ)」と今後の事を相談している時に数人の取り立て屋が家に上がって来る。 当時霞は7歳(小学１)、下校中だった彼女は家で何が起きているのか想像もできなかっただろう。返済の件で取り立て屋に恫喝され、雨汐は暴力まで振るわれてしまう。それを見かねた日依は取り立て屋と揉み合いになり、雨汐ともども昏倒していしまう。 取り立て屋は金目の物を奪い家を後にするが、その際に吸っていた煙草をリビングに投げ捨て、火災が発生してしまう。 そして霞が家に到着するころには、家は炎に包まれていた。家の前には通報したであろう近所の人や野次馬が集まっていた。 騒然とした通りの中、霞は家から微かに雨汐の声を聞いた。その瞬間霞は周りの制止も振り切り家の中に入っていた。 激しい炎と黒煙の中、霞は母の雨汐を見つけた。彼女は何かを言っていたが霞はがむしゃらに雨汐を抱え、炎から逃れる事が出来た。その際に霞は右半身に火傷を覆い、右目も失明してしまった。脱出した二人は消防隊に連れられ救急車に運ばれる。 その時霞はやっと落ち着いたのか、雨汐が何を言っているのかはっきりと聞き取れた「日依さん…」と。 瀕死の霞はそのまま気絶してしまい、次に目覚めた場所は病院のベッドだった。 結果家は半壊に留まったが、父親の日依は亡くなってしまった。その後、事の経緯を雨汐と警察から聞くことになった。 霞は後悔した。確かに最近、父さんと母さんの様子が変だった。でも友達と遊んだり勉強したりで全然気にしていなかった。 それに家の事情を知らずにお小遣いをせがんで困らせたりした。なのに父さんは笑顔でそれに答えてくれた。 霞の火傷は完治しなかったが鎮痛剤を貰いつつ退院することになる。日之影一家は日依の経歴もあり各地を転々とすることになる。 度重なる環境の変化、どうしてもついて回る自分たちの「過去」により二人の精神はすり減っていき、特に霞は度々自傷行為に走るようになる。しかしとあるきっかけにより、霞は前向きになる。あの時父さんに話を少しでも聞いていれば。 確かにお金の問題は解決できなかっただろうけど、もしかしたら父さんの力になれたかもしれない。 後悔と共に、ある種の責任感が芽生えていった。こんな悲劇を繰り返さないためにも、精神科医になろうと心に決めた。 が、霞自身も気づいていない本心があり、それは「友達が欲しいから」。相手の気持ちを理解すれば友達になれる、という潜在意識を霞なりに解釈して精神科医を目指すことになる。勿論、人の為に何かしようという意識には変わりないが。 月日は流れ３年前、新天地にて高校に通うことになった霞。今の霞は若干根暗になり、常に眼帯をつけ勿論友達はおらず、非常に近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。しかし将来の為にも高校に行き、人との関わり合いを経験すべく、学び舎に向かうのであった。 霞「今度は友達…出来るといいな。」 「日之影　霞」：茶髪のロングヘアーで比較的小柄。右半身に火傷跡がある為、肌を出さないようにしている。 ▶性格：低姿勢で内向的だが、芯があり、理性的。 ▶好きな物：両親(雨汐,日依)、水、雨、読書、優しい人、サラダうどん,マヨネーズ,変なヘアピン,お笑い(芸人の名前は覚えてない) ▶嫌いな物：がめつい人、暑さ、炎、派手な物、辛い食べ物、パセリ ・基本根暗で、入院や通院、鎮痛剤の副作用のためか体力が無く、小食の為いつもげっそりしている。 ・自分の過去を知らない人を探している。身体の事もあり、周りの目を気にしがち。 ・人が自分を見て何を考えているか勘ぐってしまう。 ・結構ゲラ。人前では笑いを必死にこらえるが、家では割と大声で笑い転げる。 ・静かな喫茶店でバイトをしている。店長の女性「土原 沙姫(ﾂﾁﾊﾗ ｻｷ)」に火傷の事を知られてしまうが、あっけらかんとした様子で対応してくれた。それからも変わらず霞に対して接してくれている。店長はサバサバした性格で名前が可愛いのを少し気にしている。 ・「ワタシは～」「へへ…」「～だと思う…」 ・口癖は「ままならないわね」 「餞-はなむけ-」生還　ありがとう、日下くん。

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