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るりという少女は、名前の通り瑠璃に輝く瞳を持ったひじょうに愛らしい少女だった。 貿易を行う日本人の父と、米国から娶った凛と背筋と鼻筋の通った母を持つ。 父に似た射干玉の黒髪と、母に似た瑠璃色は近所では評判で、彼女が笑えば誰もが花が咲いたようだと例えるほどであった。 洋装も好むが和装もたいそうに似合っていて、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」という言葉はまさに彼女のためにあったのだろう。普段は彼女の瞳を基調とした青いワンピースを纏っており、ふわりとゆれるスカートを目で追ってしまわぬ者はいないだろう。その繊細で触れば壊れてしまいそうなほどに華奢な体躯に反して、るりの笑顔は見た誰もが元気になるような快活さを表していた。 内からあふれ出る快活さを、人はまぶしそうに見つめる。 美しい彼女は、しかしただ美しいわけではない。女性というものは、何歳であろうとも女性なのだ。 女学校の入学を来年に控えた彼女は、少女の純真さと悪辣なまでの無邪気さを内包した、女性であるのだ。 手折られる花の儚さを理解しながら、その美しさもまた理解している。 快活の中に存在する艶やかな笑みに、知らず人はから娶られてしまうのだろう。 彼女のもつペンダントには、家族写真が収められている。 これは浅草のとある写真館にて撮ったものだ。まだ幼い弟も、おりこうに映ったその写真を彼女はたいそう大切にしている。 家族で出かけることもおおく、愛され、幸せに育った彼女にとっての家族とは小さな世界ともいえる。 だが、周囲をまとう大きな世界もまた彼女を愛し彼女に愛されている。 幸せなその空間は、変化こそあれど例え彼女が成長したとしても、今後壊れることも壊されることもないのだろう。 きれいでうつくしく、しあわせな世界を愛する心を彼女は持っていた。 彼女には一等大切にしているものがあった。もちろんいつも身に着けているペンダントはとても大切なものだ。 それと比べることはできないものの、彼女はとある本を毎夜の如く読み返していた。 父の仕事をみてままごとのように真似をしていた彼女であったが、聡明さをも併せ持つ彼女はその年で文章を読むこともできていたのだ。 彼女はその本に登場する人物に恋をしていた。淡く純情な、それでいて灯火のような温かさをもった恋心であった。 彼女はその本を抱き、今日も心の中の大切な大切なものを入れてしまっておく宝箱の中に、淡い想いをしまっていた。 一人称：私 二人称：あなた カラーコード；1e50a2（瑠璃色） 2015特徴表 「大切なもの（D）」：「灰谷黎楼」の原本。なくすると1/1d8のSANC。 経験シナリオ 「表題「未完成」」KPレス 「お茶会は薔薇の園で」KPレス 以下シナリオのネタバレあり 「表題「未完成」」 「……ありがとう、お義父さま。あなたはとっても寂しがり屋なのですね」 「安心してくださいませ。あなたの理想は、ここにありますよ」 「お茶会は薔薇の園で」 AF：【不思議な色合いをした石】 貴方が思った通りの装飾品に変わる石。その装飾品を身に着けている限り、アイデアに+５される。→綺麗なブローチに

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