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昔から、耳がよくいろいろなことが聞こえる体質であった。その男の家庭は特に不自由ない家庭であったが、高い知能を持って生まれたため周りの羨望や嫉妬の声とよく聞こえる耳が幼少の頃の彼を苦しめた。そのせいか、本をよく読む小学生時代であった。しかし、そんな彼にも中学生時代には一人の親友がいた。高校生でも一緒であったその男の影響で高校生では一転して、ボクシングに打ち込んでおり才能も相まってそれなりに活躍して、その男は多くの友を作ることができたが、親友との一度のみの仲たがいでそのまま疎遠になってしまい、そのため周りに人がいても孤独を感じるようになってしまった。そのことに対して、ひどく心を痛めた彼はキリスト教のカトリック教に入信することとなる。その後、神学校での勉強を積み重ね神父となった彼は神への祈りを忘れず、周りの人間への感謝を忘れず、信者たちからも愛される人となった。しかし、信仰者という仮面をはがしたその根底には今でも彼の根幹となる彼の心の弱さがある。「神谷竜太郎」の一件も彼が心の弱さを思い出すのには十分すぎるほどの出来事だった。そのひび割れた心を埋めてくれる人物として彼は心の中で無意識に近い状態で彼女「月島シイラ」を求めている。彼女の誘惑を断ることができないのは、彼の心の弱さゆえなのかそれとも…。

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