タグ： 月の魔女と送り狼

映画字幕翻訳家をしている42歳、アメリカ人。クリスという10歳歳下の恋人がいる。 趣味は映画鑑賞と料理。エマという名前のメスのキャバリアを飼っている。 方向音痴でありあまり遠出は好まないがクリスとの旅行は例外、毎回迷子になりかけながら楽しんでいる。 12歳の時に父親の浮気が原因で両親が離婚、母親に引き取られる。その時の父親の浮気相手に手を出されかけた事で、肉欲や性行為=穢らわしいものという価値観が根付いた。 しかし、16歳の頃に親しくしていた女性と見に行ったフランスのラブロマンス映画で、愛や性への印象が再び変わる。肉欲や性行為にも美しい1面はある、という事を教えてくれた恋愛映画、ひいてはフランス映画やフランス語に興味を持ち、それらに関わる事がしたいと勉強を始める。 作家や脚本家を目指して大学に入ったが、在学中翻訳家に興味を持ち急遽学科を変えたという経歴を持つ。また、若い頃はフリーランスの翻訳家としてロマンス小説の翻訳、ライナーノーツの翻訳、会社案内の翻訳など、どんな内容のものでも引き受けていたので、顔自体はそこそこ広く知られている。 クリスとの出会いは約10年前。副業として大学のフランス語非常勤講師をしていた頃、受け持っていた生徒の1人がクリスだった。当時は、講義を真剣に受けてくれる真面目な生徒という印象しか無く個人的な交流なども無かった。しかし数年後、散歩中にばったり再会。これも何かの縁だろうと、社会人となった彼を食事へ誘ったら想像以上に話が合いどんどん交流が深まり、なんやかんやあって付き合うまでに至った。 かなりの歳の差な上、元教え子に手を出した形になってしまったが、本人は「こういうラブロマンス、ありそうじゃない？」とあまり罪悪感などは抱いていない。 今回の旅行はクリスに誘われたもの。歳下の恋人にいい所を見せようと、気合で日本語を勉強した。

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