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【漆原伝十郎】 元々は敬虔な信奉者だったが、各地の形骸化した宗教に強い嫌悪感を抱く。 宗教によって祀られる神を嫌悪する一方、それでも彼は神という存在そのものは信じ続けた。 大学は生物学を専攻、そのまま大学の教授として生物の研究を続ける。 そして、とある研究論文を発表する。 「人間と動物はなぜ違うのか」。そのテーマに対して「人間は神によって分け与えられた崇高な魂を宿している」と論じた。 「人間の中には神の分身ともいえる上位存在が内包されており、それによって知性を会得した。 人間の一人ひとりに神の分身が宿り見守っている。それこそが人間の魂なのだ。」 ”HGA理論” ”ダイモーン説”などと自身が呼称したこの理論は 生物学者たちからは「ミッシングリンクの証明に欠ける」と指摘され オカルト学者からは「”神という存在”の定義が曖昧だ」と非難された。 結局この論文は異端な理論として扱われ、まともに見向きされなかった。 彼はこの理論を証明するために奔走したという。 そんな彼に訪れたのは、”レネゲイドウイルスの蔓延”という転機だった。 この出鱈目な存在を媒体にすればできると、確信したのだ――――個々人の神”聖守護天使”の証明を。 レネゲイドの研究を彼はつづけた。 シンドロームの研究、オーヴァードが個々に持つ衝動とレネゲイドの関係、 各オーヴァードに発言する個人のみの力（Dロイス） 強大なジャームにのみ発現する力（Eロイス）…… 彼の研究は次第に苛烈となり、人体実験に手を出すようになった。 後年、彼はマッドサイエンティストの烙印を押され、UGNによって拘束されることとなる。

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