タグ： ヘリ連合軍団Fire

HPB2/15 月理レオの双子の兄 幼い時からどちらも賢く、それでいて仲が良かった 双子ということもあり食の好みや性格も似ていたが、弟の方が少し泣き虫だったか 兄としての役割を果たそうといつも前にいるのは俺だった 中学生になりテストが返ってくる、順位はいつも1位であいつが２位 兄さんには敵わないな、とあいつは苦笑する 当たり前だ、俺は兄なのだから 出来て当たり前、自分も周りもそう思っていたから何の不自由も無かった が、成績が優秀なのは俺の方なのに、褒められるのはいつもあいつだった 何故かあいつの周りには人が多い。その中心で楽しげに笑っている 俺より劣っているあいつが、俺より幸せそうで 「羨ましい」と思った 高校に上がるにつれその感情は嫉妬から憎しみに変わっていった 成績では勝っているはずなのにいつも負けた気分だった 態度が変わっていく俺にあいつは焦った様子でしつこく理由を解いてきたが 次第にそれも無くなっていき、会話もしなくなっていった ある日成績が返ってきた １位はあいつだった 時間が止まったように思えた。酷い劣等感と共に目の前が真っ暗になった。 それから先は高校を卒業し、あいつから逃げるように家を出た 1人暮らしを始めてからある仕事についた 少し特殊だが俺の能力を活かすには最適な仕事だ 俺はかなり優秀だった。あいつがいなけりゃ俺はいつでも1番になれた 今頃あいつはどうしているだろうか 今更興味はないが、まあ、いつか見返してやろう 月日が経った 前の仕事を辞め、大学教授になった 物理学や哲学、主に天文学を教えている ふと幼い頃の記憶が蘇る 家族が寝静まった夜、バレないように望遠鏡を持ち出し弟と一緒にベランダで星を見たこと 河原で綺麗な石を見つけては「星が落ちてきた」と喜び集めていた 石集めは現在も続けているが、これが始まりだったか 棚の上には確かにあの日あいつと集めた石が何個か飾ってある 幼少期の俺によればこれは「星のカケラ」らしい しばらく見つめた後「星のカケラ」をそっと手に取りポケットに しまった 甘いものが好き

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ