タグ： ゆめさき ちづる

生徒から千弦ちゃん、咲ちゃんと呼ばれ親しまれる体育の先生。普段からニコニコと笑顔を貼り付けており愛想が良いため、生徒とその親御さんや周りの教師からの評判が高い。最近の悩みは生徒が自分に「先生」を付けて呼んでくれないことで、ちゃん付けで呼ばれる度に「先生付けろって言ってるだろ〜！><」とぷんすこしている。好きな物は甘い物で何より大事なものは生徒。昔は結構やんちゃしていた。女バスの顧問を務めている。今回の生徒が自殺してしまった件について、自分が顧問を務めていたにも関わらず何も出来なかった。と生徒思いであるが故に特に心を傷めている。 なんてここまでは建前。夢咲千弦は一見生徒思いで愛想の良い素敵な教師だ。しかし本当の彼はそんな理想の教師像とは真反対の存在である。 　彼は自分の過去を誰にも漏らさない。それほどに彼の過去は暗く、重い。両親から虐待を受けた過去。そして、自分が虐めの加害者であった事実。両親は既に事故で他界しているものの、虐待と虐めによって歪んでしまった彼は現在もストレスの捌け口に女を使っている。彼の顔立ちの良さは自他共に認める程端麗で。故に"そういった"趣味嗜好の女を捕まえるのは、いとも容易いことなのだ。甘い物が好き、生徒が大事。そんなものは建前だ。確かに生徒は大事な存在。しかしそれは愛想の良い、皆に好かれる自分を作りあげるために必要というだけ。本当は甘い物なんて好きではないし、生徒だってどうでもいい。生徒ウケ、親ウケがいいからそう答えただけに過ぎないのだ。 彼の中に巣食う加虐性。それがいつか生徒にまで牙を剥く日が訪れるのか________________？ 　彼の記憶から、過去虐めた相手の存在はとうの昔に消え失せた。しかし自分のしたこと自体は未だ鮮明に覚えている。時にはバット等使い暴力を振るった。昔からストレスによりヘビースモーカーだった彼は、学生でありながら煙草を所持していた。その煙草で、被害者の額を焼いた。校庭で拾った虫なんかを、無理やり食わせたことだってある。精神的に、肉体的に追い詰めた。当時の彼に____いや、現在に至っても尚、夢咲千弦に悪の自覚など欠けらも無い。 　母から、父から受けた躾と何も変わらない。少し厳しいだけの、立派な躾。確かに両親が逝去した際は喜んだ。あの厳しかった、辛かった躾から解放されたのだと喜んだ。ただ夢咲千弦はそれでも両親を愛していたのだ。自分のしたことが悪だったというのなら、両親からのあの愛すら悪だと言うのか。否、あれは悪などではない。そう信じてやまない限り、彼は自分の罪を自覚することは一生出来ないだろう。 　何時だったか、まだ彼が教師になる前。たまたま拾った女に言われた言葉。 「夢咲くんはまるでダチュラね」 いつもならくだらないと吐き捨てただろうが、ダチュラの意味を知った彼は珍しく面白いと賞賛した。彼が常に笑顔を貼り付けるようになったのはそれからのことだった。夢咲千弦の所持品にはその女に作らせたダチュラの押し花がある。ダチュラの甘い香りを纏い、彼は今日も笑う。 _____夢咲千弦が笑顔を携えるのは、己の内にある異常な加虐性と歪んだ思考を悟られないためだ。 ダチュラとは、別名チョウセンアサガオ、曼陀羅華と呼ばれる夏に美しい花を咲かせる有毒植物である。アルカロイド系の毒を葉に多く含んでおり、誤って摂取した場合違法の薬物より強い幻覚作用が出るとされている。犯罪にも使われる危険な植物。しかし危険な一面とは反対に見た目は愛らしく香りはとても甘いため、自宅で育てる人も少なくない。香水などにも利用されている。 花言葉は『偽りに満ちた魅力』。 ソープスクール　HO2　夢咲千弦 ______先生は笑顔を絶やさない。

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