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「将来……は、多分ヴァイオリニスト。好きだしね」 「レール……って訳じゃないよ。好きなのは事実だし。でも、何にでもなってみたくはあるかな」 一人称：おれ 二人称；○○さん ヴァイオリニストのパパを持つ、天才高校生。いつまでもこの生活が続けばいいのにとちょっと思う。 *☼*―――――*☼*――――― 幼い頃からヴァイオリンのあれやこれやを叩き込まれていた。目指すは1番、天才ヴァイオリニストの父を持つ楽久はそれしか認められない。 そんな生活にうんざり――することもなく、楽久は常にトップを取り続けてきて、まあ天才の子も天才と言うわけで。父親の奏でる音楽が大好きだったから、楽久も弾いてみたくてここまで来た。それだけの話だ。 ただ、練習漬けの毎日が遊び盛りの高校生にとってはちょっと退屈だったのもまた事実。一時期ソシャゲにハマりすぎて、課金しすぎて母に怒られたのは苦い思い出だ。(お手伝いをたくさんしてお金を稼いだ) 高校生活もそれなりに順風だ。なにせ、練習しなくても天才は天才なのだから。人並みの努力はあれど、放課後に少し友達と話して帰るくらいなら、厳しい父親も許してくれた。 高校生を卒業してしまえば、きっと今後はもっとヴァイオリンにのめり込む日々が続くんだと思う。今だけはこの生活を楽しみたいのだ。 だから、また明日。学校でね。 *☼*―――――*☼*――――― 【餞】(2021-2-19) 「卒業おめでとう」 この音色を、変わらない友人たちに向けて。

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