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グラン・A・キング 警察学校を卒業したばかりの新人刑事。20歳。周囲は彼をグランと呼ぶ。その口調はコロコロと代わり、難解な言葉をよく用いる。非常に表情は豊か。初対面で彼の本質を見抜ける者は少ないだろう。 幼いころに事故で両親を亡くしており、以来、二つ下の妹と二人で暮らしてきた。天涯孤独となった彼等が生き抜くためには人の力を借りる他ない。その為、彼は人の心の機微の見抜き方や、交渉術等多くのことを学ぶ必要があった。彼が身につけた生存戦略の中でも極めて特徴的なものが、彼がよく被るペルソナにある。いわゆる『厨二病』と呼ばれるその仮面と、献身的な彼の本質によって多くの人々が彼等に一目置くこととなった。なので、ある程度の信頼関係を築いた人とは普通に話す。 非常に妹思いである。守る対象としてではなく、共に生きてきたパートナーのように思っている。彼が身につけた生存戦略は無意識に学ばれたものであり、彼自身は自分の人間関係を非常に恵まれたものだと考えている。その為、少しでも恩を返そうと献身的になる。 彼の人格的な欠点は倫理観の欠如である。彼の中で命の価値はとても軽い。そのおかけで、両親の死から立ち直ることは出来たが、刑事としては不適切であろう。 彼自身に自覚はなく、気づく人もいなかった。 金銭的な問題からあまり良い学校には行けていない。家賃は父の旧友が肩代わりしてくれてはいるが、彼等が稼げる金額は生活費を超えず、学費は奨学金から払っている。そんな訳で物やお金をとても大事にする。五歳のころに撮った家族写真はあたかも新品のように財布にしまってある。 刑事になった理由は、彼の地頭の良さと交渉術に目をつけた元刑事のお爺ちゃんに勧められたから。特に彼自身やりたかったわけではなかったりする。推理も得意だが、人身掌握と直感、運の良さが何よりの強み。逆に体を動かすのは苦手。 タバコもお酒もだめ。お酒は付き合い程度には飲むこともあるが、好きではない。妹が喘息持ちなこともあり、タバコは蛇蝎の如く嫌っている。好きなものはトマト。将来はイタリアに引っ越そうかなとか思っていたり。 「僕達の往く末に、希望はあるのかな」 「さぁ、君の天罪を裁こうか」 「ただいまー！今日の晩御飯はトマトスパゲッティーだよ！」 人間師の一件以降は、刑事を辞めて各地で古書の売買をしている。妹は良家のお坊ちゃまに拾われていった。まぁ大丈夫だろう。 正義は既に死に、守りたいものは皆朽ちていく。ならば風のように生きよう。何にも縛られず、何も感じ得ず、ただ言葉を友として、流れるように生きようじゃないか。ねぇ、先輩？

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