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「全部忘れられたら、どれだけ幸せかなって」 「忘れてしまいたくて全部捨てたのに、なんでまだ残ってるんだろ。俺の命」 俺／お前。あんた。ぶっきらぼう、というか元気がない。 色々なことを忘れたくて忘れたくて必死になっているのに、忘れることができない。 全てを終わらせたいとぼんやりと考えていた頃、同級生に自殺を持ち掛けられる。 どうして分かったのだろうと思いながらも、「一緒に」という言葉に心惹かれ頷いた。 しかし気付けば自分は生きていた。 彼らはどうしたのだろう？と思わないこともない。 けど、生きていた時のことを忘れたくて忘れたくて堪らないから、忘れていることにしている。 セルのこと、マステマのことは嫌いではない。自分に居場所と、一応の存在意義をくれるから。 でもマステマは「愛して」はくれないから、俺はまだ死を望んだまま。 ---------- 熱心な宗教家である両親の元に生まれ育てられる。 両親は子を大事に育てた………とは言うものの、その実態は効果の怪しい呪いに晒され続けていた。 当人達はそれが子の幸せであると本気で信じ、本気で実戦してきた。 子も彼らの幸せの糧になれるならと、それを信じて笑い続けてきた。 が、とある日、彼らの妄信していた教祖が、信者の数名を生贄と称して惨殺。 殺害に加担していた両親も含め、信者の多数が逮捕されることになる。 その後の捜査で数多の犯罪行為が露呈し、この団体は解体する流れとなった（実際には多分してない） 当時7歳と、まだ幼かった少年は保護され、施設で育てられることになる。 しかしたくさんの歪んだ愛情を受けることに慣れていた少年には、その愛情がなくなることに酷く不安を覚えてしまっていた。 そこから極度に愛情を欲しがるようになり、求める愛情が受けられずに孤独を感じていく。 施設や学校の友人や先生、近所に住む人々。彼らに常に「愛して」「大事にして」と呟き続けた。 両親のこともあり、近所の目も冷たく学校でもあからさまに浮いていた。 ほんの少しだけ落ち着きを見せ、一般の高校に通っても大丈夫だろうと判断された後のこと。 高校に通い始めた少年は、ひとりの少女に恋をする。 彼女はとても母に似ており、美しかった。彼女に愛して貰えたら、いつかの母からの愛をまた感じられるかもしれない。 夢心地のような淡く歪んだ希望と期待を胸に、しかし口には出さずに彼女のことを見守っていた。 そしてある日、彼女が仲睦まじく、異性と共に歩いているのを目撃してしまった。 衝動を抑えきれなかった少年は、彼らに近付き、そうして「あなたに愛して欲しい」と告げた。 彼女の目は酷く冷たかった。侮蔑、それから恐怖。そんな目だった。 ただ愛して欲しかっただけ。それだけなのに、その愛はもう手には入らない。 なら、俺が生きている意味なんてどこにもない。 【戦闘スタイル】 身体に纏った風を動力に、目に見えないナイフを投げつける。 両親から受けた暴力的な愛情のイメージ。 「愛して」＝「痛めつけて」

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