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空 無忌 (ウツロ ムイミ) 職業：ファッション系芸術家 特記：流行に敏感。相手の服装を見ただけで、社会的地位や収入などがわかる。さりげないアクセサリーの価値もわかる。 特徴：「バイリンガル」 　　　[EDU×5]ポイント分〈ほかの言語〉を取得 (※クトゥルフ2015を使用) オシャレな若者からの絶大な支持を誇る、超一流のファッションデザイナー……なのだが、驚くほどに根暗な気質。職種からは想像もできないネガティヴさ。臆病かつ繊細で、いつもオドオド、ビクビクしている。 本人の服装は壊滅的にダサい。 「僕は僕のために服を作りたいわけじゃない」と彼は言う。いや、それにしたって……と口を挟みたくなるレベル。画像は上下白ジャージ。 しかしその天性のセンスと、(他人の)ファッションにかける情熱は本物。 目立つことを嫌うため、彼自身タレントとしての露出は皆無だが、もし彼のファンがその実態を知れば卒倒は必至である。 生まれはイタリア、育ちは日本。父がイタリア人で、両親ともにアパレル関係の仕事をしている。 小中学校時代はその引っ込み思案が災いし、イジメられこそしなかったものの、孤立していた。自ら周りに壁を作ってしまうタイプであった。 人と接することに疲れ、通信制の高校へ進学。学校の勉強をする傍らで、大好きなファッションの勉強に取り組んでいた。 専門大学を卒業後に個人ブランド『vuoto』を立ち上げると、ファッション業界に一躍その名を馳せることとなった。企画とデザインは彼一人の手によって行われている。 面と向かって人と接触することを嫌うため、仕事の9割以上は在宅しながらオンラインで済ませる。外出が好きではなく、引きこもりがちな生活を送っている。そこそこ良いマンションで一人暮らし。金はあるが使い道がほとんどない。仕事が趣味。 父の名は エドアルド・マンチーニ。 母の名は 空 凪 (うつろ なぎ)。 家族仲はきわめて良好。両親は現在、仕事のため海外を飛び回っている。 彼は人と関わりを持つことは苦手だが、決して人間嫌いではなく、むしろ大好き。 自分の作った服で、美しい人間をより美しく引き立てることに最上の喜びを見出している。自覚こそないが、かなり奉仕的な気質。 ただし「愛すべき人類」のカテゴリーの中に彼自身は含まれていない。端的に言って自分が嫌い。 他人のファッションには熱くなりながら、自身の身だしなみをまったく整えようとしないのはこれが原因。 彼の人付き合いの悪さは「他人」の排斥ではなく、「自分」を人々から遠ざけようという意思に所以する。 【追記】 現在、デザイナー業は休業中。両親に頼み込み、自身が不在の会社を任せている。あくまで一時的な活動休止であり、辞めるつもりはないらしい。 本人曰く、「やらなきゃいけないことができた」とのこと。 【通過シナリオ】 『沼男は誰だ？』『カタシロ』『the hole』『はじめまして、教えてください』『幸せの在り処』『夢終夜』『崩れたケーキで生きを死体』 ※以下、『沼男は誰だ？』『カタシロ』『崩れたケーキで生きを死体』のネタバレを含みます。 通過シナリオ１『沼男は誰だ？』(※非改変版) 沙耶をナイアに引き渡し、処分することに関して、他の探索者たちが断固反対する中で、彼一人だけが賛成を終始押し通そうとした。 彼はどこまでも「巻き込まれてしまった一般人」としての感性を保ち続け、厄介な事件から解放されたい、身の安全を確保したいという考えのもと探索者たちと対立し続けた。 しかしナイアが「スワンプマンや血の池事件のことには一切関与しない」というスタンスを見せると意見を一転。ナイアとの交渉は破棄すると宣言し、他探索者たちと共闘する道を選んだ。 その後、血の池事件の終焉とはすなわち、社会を生きるニンゲンたちの大量殺戮を意味すると知り、またも苦悩することとなる。仲間たちが揃って罪を背負う覚悟をするのを見ると、同様に罪を背負う覚悟はできないまでも、せめて関わってしまった者としての責任を取るために、スワンプマンの母体の最期を看取った。 通過シナリオ２『カタシロ』 「囚人のジレンマ」には「自白」、「テセウスの船」には「同じではない」、「臓器くじ」には「悪」という答えを出した。 特にテセウスの船の思考実験は、スワンプマンの事件を経験した彼には(記憶を無くしたとはいえ)きわめてセンシティブなものであった。「自己とはなにか」という問題は、今もなお彼の心に根深く絡みついている。 マシロに肉体を譲るかと問われたときには、言葉に詰まりながらも「否」と即決。強い拒絶の意思を見せた。 これら二つの事件を通じ、彼のアイデンティティはこれ以上なく強固に確立されたと言っていい。根暗で、臆病で、繊細かもしれない。それでも彼は決して揺るぐことのない、屈強な"自我"を持っているのである。 通過シナリオ７『崩れたケーキで生きを死体』 葺屋 寿春 (ふきや すばる)という2つ上の女性と結婚した。 周囲に好かれる自分を演じてきた彼女が、初めて口にした願い。 「生きたい」「空さんともっと一緒にいたい」 それを聞き届け、「必ず迎えに来る」という約束を交わし、二人で箱庭を開いた。 空 無忌、21歳の初恋であった。 それからというもの、彼は変わった。生き甲斐であった仕事を休職し、有り余る財をもって世界各地を飛び回るようになった。 この世には常識では計り知れない、超常が存在すると彼は知っている。 ただ一人、愛した女性を救うためだけに、彼は終わりのない旅を続ける。 それまでの彼は、言うなれば「人類オタク」というべき人間であった。 すべての人間を分け隔てなく愛し、人生のすべてをつぎ込んできた。 その78億人分の愛を、今はただ一人の女性だけに注いでいるのである。 本人は最近気付き出したようであるが、並の精神性ではない。 臆病で繊細で優しい、その人となりはまったく変わっていない。 しかし、ただひとつの「目的」のためなら如何なる手段をも使い、如何なる犠牲も厭わない。そんな危うさが、今の彼にはある。 スワンプマンを否定し、医者を否定し、それでいて愛した女性を、死者を蘇らせたいともがく彼のあり方は、あまりに矛盾にまみれている。 それは彼自身も認めており、何度も悪夢という形でフラッシュバックを味わっている(また、夢の世界で神話的事象に巻き込まれることも多く、不眠気味)。 そのために元より低かった自己肯定感はさらに低まっている。 彼は多くの罪を背負いながら、そこから決して目を逸らさず、前へ進む。 正当化はしない。逃げもしない。 自分の歩んできた道が、正しいなんて思わない。きっと、これからも過ちを繰り返す。 それでも、約束したから。 必ず、迎えに行くから。

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