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一夜 十起（いちや じっき）　一般組員（救護班）　ペア：愛月撤灯 睡蓮世界１年末にヘーメラーに加入。 故郷では医学生としてアイ病について研究していた。 時期的にはそれなりに古参だが戦闘能力がない（自称）ため、主に情報収集や戦闘班の支援などサポートを担当している。 自世界における「イチ」のヒュプノスであったが、オノマ継承可能な人材が居なかったためヘーメラーにて一時保護され、後に組員となった。 普段は口数が多く軽薄な態度で、懐いた目上の相手にはよく構われに行く。 事あるごとに自分のことを「弱い」「雑魚」等と卑下し、戦闘に参加することを避けようとする傾向がある。 一方で医療分野には精通しており、ミトウに次いで救護班の一線であった。 愛至後は旅団ヘーメラーについて貧困層への医療の提供や、医師の教育等の活動に従事している。 　―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 幼少期はおどおどとした臆病な性格で、書庫が心休まる場だったこともありその頃から読書家であった。 父は物心つく前に亡くしている。 十起を女手ひとつで育てた母はその世界において天才名医と呼ばれており、謎の眠り病の第一人者でもあった。 仕事人間の母にはあまり相手にされず育ったが、学問をするための環境だけは惜しみなく与えられていた。 母との距離に寂しさと不安を抱えながらも、その生き方を尊敬しており、いつか彼女に並び立とうと同じ医療の道を志す。 しかし、天才の看板に寄せられる期待のなか一向に解決策の見つからない状況はやがて重圧となり、次第に母は追い詰められていった。 そんな中で、アイ病研究の要であった母は狩人に目をつけられた。彼女は勧誘を受けて狩人の手に墜ち、その時点での研究成果を全て引き渡している。 結果、狩人達は十起がヒュプノスであることを特定し、当時母子が在籍していた大学病院を襲撃した。 逃げ惑う中で倉庫の奥に身を潜めるも、狩人らは執念深くヒュプノスを捜索し、隠れた十起を見つけ出した。 狩人は母が十起を売ったのだと嘲り、彼らの手により瀕死の重傷を負わされる。 偶然にも、その時アイ病研究者として母への面会を試みたヘーメラーがこの世界を訪れていたため、欺人の手により救出された。 その後、本来ならば保護対象のヒュプノスとして収容される手筈であったが、本人が構成員としてのヘーメラーへの加入を強く希望し、母の研究成果を把握していることや医療への熱意をPRした。 発足したばかりのヘーメラーは当時人手不足であったため、トラベラーの適性もあったことから正式に採用された。 ……実際には、当時の十起にアイ病解決への熱意など殆ど失われており、それらは狩人襲撃時のトラウマから施設収容を回避する為の方便であった。 そのような経緯であったが、現在はヘーメラーとしての活動を通じて人々を救う活動にやりがいを見出しており、仲間のこともそれなりに好いている。 しかし、どうしても他者を信頼しきることが出来ないままで、自分が暴力の場に晒されることを極度に恐れている。 十起のトラベル練度が高いのは、同行者の裏切りや昏倒等の非常事態に異世界に閉じ込められないため、またいざという時には１人で逃げるためである。 基本的に人助けは好むが、多くのヘーメラー所員が持つ自己犠牲精神には全くもって共感出来ない。 自分の安全を最優先に確保した上で可能な範囲で手を差し伸べるタイプである。 本人は、そんな自分の保身的思考を彼らに比べて汚いものだと認識しており、同じヘーメラーを名乗ることにどこか引け目を感じている。

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