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まそら あおい　18歳 生まれつき体が弱い 幼い頃は家族全員仲が良く、どこにでもいる普通の家庭だった。しかし双子が成長するにつれ、職を失った父親が暴力を振るうようになり、母親は男性恐怖症の酒浸り、雅はPTSDになってしまう。葵は入院しがちで家にいることが少なく、2人を助けられない自分を酷く責めた。 病院にいる間、音楽を聴きながら読書をすることだけが、葵の楽しみだった。双子は近所のピアノ教室に通っており、暇さえあれば家から逃げるように駆け込み2人で演奏していた。家庭の事情を知っている教室の先生は子供が産めない身体だった為、自分の子供のように双子を可愛がってくれた。教室でピアノを弾いているその時だけは、全てを忘れることができたのだ。 10歳になる頃、アルコールで意識が酩酊した母親が一家心中を図る。父と姉を殺害。 ピアノ教室にいつになってもやってこない姉を不思議に思った先生が、葵の代わりに様子を見に行ったが、夜になっても帰ってこない。流石に変だと感じた葵が家に戻ると、葵の目の前には惨状が広がっていた。 父、姉、そして先生の死体。それを見下ろして笑う母親。 「全部はじめから、無ければよかったのよ」 その言葉を最後に、葵の目の前で、母親は首を掻っ切った。

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