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【プロフィール】 密室のパスト HO能天気 木林 清司(キバヤシ セイジ) 27歳／173cm／10/5／右利き／O型／俳優 【詳細】 引っ張りだことは言わずともそこそこ名の知れていた若手俳優。芸名は本姓の木林をもじって「森 清司(モリ セイジ)」。拉致される前の一番大きな仕事は月九ドラマのヒロインの恋の相手の弟役。 20歳を迎えて仕事の幅も増えるぞ、でもちょっと現実の自分と画面の中の自分が乖離してきてしんどいぞ、という時に本シナリオの誘拐犯によって拉致監禁。行方不明当初は未成年芸能人の無責任な失踪と認識され好感度も落ちたが所属事務所から正式に捜索願が提出されたことで一躍本人不在で時の人へ。ドキュメンタル系バラエティ番組で特集を組まれるほどに大きな話題となったがそれも七年経った今では連絡の途絶えた日にファンがちらほらとお気持ち投稿をSNSに上げる程度へと収束している。 本人としても二十代前半という消費コンテンツとして一番良い時期を無駄にしたこと、暗がりのせいで現在の自分のコンディションが確認出来ないこと、いつここから出られるかも分かっていないこと、そもそも七年(か今後それ以上)のブランクを抱えてまたのし上がれるほど生易しい場所だとも思っていないこともあってかさほど湿度の無い感情で芸能界を諦めている。生きて帰れたら昔のよしみでマネジメント業くらいは斡旋してくれるかなあ、程度。 【秘匿・HO泣き虫に対して】 意思とは関係なく湧く衝動でありそれを今日まで耐えてきたとはいえ泣き虫へカニバリズム欲求を向けていることに非常に罪悪感と抵抗感を覚えている。能動的な希死念慮にとらわれている訳でもなし、監禁された状態の今自分が死んでしまえば一人にされた泣き虫も気が触れてしまうだろうと想定しているため先の罪悪感も相まって自死に走ることは決して無いが今後泣き虫に命の危険が迫りそれが自身で身代わりになれるものであれば喜んで守ろうと心に決めている。 一見自身の中に湧き上がる悍ましい欲求とその欲求を泣き虫へ向けてしまうことへの罪悪感を重く受け止める自身に厳しい善人に映るがその実そう印象付けて体良く美談として死にたい、あるかも分からない「ここから出てから」にしか縋れない今から開放されたい、赤の他人と暗がりの中で楽しみも無く老いぼれて死んでいく可能性から目を背けたい、「泣き虫を守りたい」を盾に」自身の心を守りたい」、拉致監禁前と何も変わっていない臆病で自分本位な人間である。

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