タグ： のヮの式 紀場家

特徴:影が薄い、珍しい技能 職業特記事項:APP+1またはCON+1。ネット上のうわさ話に関する図書館に+10%のボーナス。 都内の大学院で宇宙物理学を専攻している院生。 弟はフードファイターの紀場阿虎で、兄弟仲は良好。 落ち着きがあって真面目な性格。大柄な弟に比べるとたいへん華奢な体つきをしており、力が弱くやや病気がち。激しい運動も不得意であまり外には出たがらない。 その代わり、部屋に篭って無心でベースを弄ることが昔から大好きで、その技術はかなり高度である。しかし、陽気で社交的な弟とは対照的に地味で存在感が薄く、本人もそれを自覚しているため、基本的に人前に出て演奏することはない。そもそもベースをやっていることすらほとんど人に言うことがない。 SPICY LEMONADEのベース担当、西尾熾彦は同じ大学の研究室の後輩であり、親しい仲である。西尾とは研究を通じて初めて知り合ったが、趣味の話になった時の彼のとてつもないベース熱とおおらかな人柄に惹かれ、彼には自身もベースをやってることをひっそりと打ち明けている。そしてしばしばマニアックな話で盛り上がったり一緒にベースを弾いたりしている。楽しいね。最近友人にギリシャ語を教えてもらっているとのことで、煉も彼伝いにギリシャ語を教わり始めた。 また、出不精ながらもSPICY LEMONADEのライブはいつも見に行っているようだ。 煉には家族含め誰にも言っていない秘密がある。それは、ネットの演奏動画界隈で超有名な女性ベーシスト「絡新婦(じょろうぐも)」の正体が彼であるということである。まるで糸を繰るかのような華麗な指さばき、そしてダークな魅力のある美貌に惹かれるファンはかなり多いが、これはまさしく、煉が女装した姿なのである。 人前に出ることが苦手な煉がこのようなことを始めたきっかけは、かの二万円バンドのベース担当、恋嗄詩の存在である。最初は全くの興味本位で二万円バンドの演奏を見た彼であったが、気づいた頃には視線は恋嗄詩に釘付け。こんなに綺麗なベーシストは見たことがない。まさに一目惚れであった。恋嗄詩が二万円バンドの中では影が薄く、地味な存在であると言われていたのは知っていたが、彼の目にはそんな彼女の姿がこの上なく美しく映ったのである。そしてその演奏ぶりから、目立たないと言われながら、他のメンバーの誰よりも直向きに努力している様子も伺えた。煉は、自身もベースを弾くこと、そして地味な存在でもあったことから彼女にシンパシーのようなものも感じ、恋嗄詩に対して強い憧れを抱くようになった。自分も恋嗄詩のような美しさを手に入れたい。少しでも恋嗄詩に近付きたい。恋嗄詩は彼にとっての最終目標、究極の理想として相応しいものであった。 そしてその想いが、女装ベーシスト「絡新婦」の存在を生み出したのである。実際のところ、雰囲気は違えど、絡新婦は心なしか恋嗄詩と似た容姿をしている。これは紛れもなく、彼女を意識しているためである。そして、この姿をしている時だけはネットで自分の演奏を晒しても良いという気持ちになるらしい。恋嗄詩パワーすげぇ。女装のクオリティはかなり高いため、西尾は彼女を見て、その正体が紀場煉であることはおろか、男性であることにすら気が付いていない。 煉は、自身が恋嗄詩に心酔しているということも人には内緒にしている(少なくとも紀場煉としては)。しかし、ライブには毎度のように参戦し、ひっそりと恋嗄詩の姿を拝んでは胸がいっぱいになっている。

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