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白石ひなた(シライシ・ヒナタ) 一人称：私、二人称：あなた。幼馴染：しおりちゃん、あやちゃん。 令和大学医学部看護学科在学。大学2年生。 家白村はひなたの故郷であり、その自然の中で生まれ育った。 幼馴染のしおり、あやとは、村内の周知の事実となっていたほど、仲が良かった。 学校が終わると、3人で公園に行き、あやの父親に見守ってもらいながら、遊んでいた。 この頃は、3人でずっと一緒にいようねとお互いに話していた。 ところが、小学校卒業と同時に家白村から引っ越すことになってしまった。 理由は、元々あまり良くなかった母親の体調が悪化し、都心部の病院でなければ長期の治療を行うことができなくなってしまったためである。 しおりとあやの2人と別れることになるのは本当に悲しかった。 できるなら、2人とずっと一緒にいたかった。 もちろん、母親だけ都心部へ移ってもらうこともできたが、心優しいひなたにはそんなことできなかった。 「私もお父さんもいなかったら、お母さん、きっと寂しいだろうな。」 そして、小学生の彼女なりに悩んだ末、家白村から旅立つことを決めた。 けれど、しおりとあやになかなか言い出せず、結局引っ越すことを伝えたのは、村を出る1週間前だった。 2人は驚いた顔をした後、ひなたが見たこともないくらい泣いて悲しんでいたが、落ち着いた後で受け入れてくれた。 引っ越す前、最後に3人で思い出作りに街に遊びに行った。 今までの楽しかった思い出を忘れることのないように、より鮮明に記憶に刻めるように、思いきり遊んだ。 最後に、いつか再会できるように願いを込めて、3人でお揃いのミサンガを買い、左手首に巻いた。 「このミサンガ、ずっと大事にするからね！」 「お婆ちゃんになってもつけていようね！」 「いつかまた絶対遊ぼうね！」 幼馴染との約束から8年。 ひなたは、少しでも母親の力になりたいと医療への道に進み、勉強に励んでいた。 長期の治療の甲斐もあり、家白村にいた当時よりは母親の体調も快復に向かっていた。 そんな時、母親がふと思い出したようにひなたに尋ねる。 「そういえば、しおりちゃんとあやちゃん、今は何してるんだろうね。」 引っ越した直後は、2人と手紙のやり取りをしていたが、新しい環境での生活が忙しくなり、いつからか返し損ねてしまっていた。 今も左腕にはミサンガを巻いているが、自分の一部のようになっていて、失念してしまっていた。 もうすぐ大学も夏休みが始まる。2人に会いに行ってみようか。 そう決めたひなたは、故郷・家白村へと向かうことにした。 言葉選びはあまり得意ではなく、失言や誤解はよくあることである。 「迷信とかおまじないとかでも、想いが強かったら叶うって信じてるから。」

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