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2015 評論家ベース 国語教師。 目つきが悪いので冷たい印象を与えがち。 本当は生徒たちともっと歩み寄りたいのだが、学生時代にいじめられて以来人との距離をうまく測れず、授業とHRくらいしか喋らない。 自分から話しかけるのも苦手で、教師陣とも余り話はしない。心の中で喋りまくるタイプ。授業なら喋れる。 いじめられる前は目つきの悪さは変わらないものの、誰にでも声をかけどんな輪にでも入っていける性格だった。 いじめのきっかけは今もわからない。自分が悪かったのか、それともいじめる側の気まぐれだったのか。 性格が変わるくらいの仕打ちを受け、大人になった今も「病原菌」という言葉を聞くと気が遠くなり、吐き気がこみあげてくる。感染症の季節はニュースや日常会話から聞こえてくるその言葉に反応してしまい、健康なのに感染症を疑われた事もある。 かつての自分のようないじめられる子供と心から寄り添い、居場所となり、逃げ道を作れるような人間になりたいと思い、教師を目指した。元々本の内容をじっくり考える事や知識を身に付けるのが好きだったため、国語教師に。 そうして担任を受け持つまでに年を重ねたはいいが、いじめによって形成された臆病な性格を克服は出来ず、未だにその一歩に踏み込めずにいる。 そんな黒田ではあるが、自殺した生徒の事は気にかけていた。 どう見てもクラスに馴染めていない、少し浮いた存在。物静かなその生徒と、かつての自分と重なった。 いてもたってもいられなくてかけた声に返ってきた応えは、「大丈夫です」。 その言葉は予想はできていた。自分もかつてその言葉でこたえてきたから。だからこそ彼女が大丈夫ではないと、確信していた。 両親が引っ越しで逃がしてくれた時のように、自分だけはその言葉だけで安心せず生徒の微かな変化を見逃さないようにしようと決めていた。 だが、駄目だった。 見逃さないようにしよう。そんな、受け身の姿勢ではだめだったのだ。もっと嫌われてもいいから踏み込めばよかったのだ。 結果、生徒は自殺してしまった。 かつての自分を見殺しにしてしまったようで、生徒の死から絶望に近い後悔を抱き続けている。 ＜いじめについてどう思っているか＞ いじめについては、起こしてはならない事だと考えている。 しかし集団心理というものが恐ろしいことだとも理解している。かつて仲の良かった友人は、いじめが始まったとたんに巻き添えを恐れて自分から離れていった。 当時はどうして、とショックを受けた。しかしもし自分が逆の立場だったら、と考えると恐ろしくなる。 いじめは人の運命をゆがめる。だからこそ、起こしてはならないのだとずっと思っている。

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