タグ： オラール探偵事務所

お前のような脳筋が探偵を名乗っていいとでも思っているのか。 フランス出身の脳筋探偵。少し前は傭兵をやっていたらしく、人殺しを伴う戦闘に関してはスペシャリストといっていい。他人に対する興味は限りなく薄く、顔と名前は身内ぐらいしか基本的には覚えていない。また、目つきが悪く口の聞き方もこの上なく悪い。はっきり言ってチンピラ同然。 ただし、今現在ともに暮らす妹弟たちに対しては非常にわかりにくいものの柔らかい表情を見せたり、受け答えもほんの若干、優しく見えるかもしれない。ヘビースモーカーであり酒好きだったりもあるが、妹らと暮らすようになってから頻度を著しく減らしたり、吸っている姿を見せなかったりなど配慮もしている模様。 幼少期は両親とともにすごしているものの、ある日母親を亡くし父子家庭となる。一見すれば普通の家庭であったが、フィリップという少年は、自らが生まれ育った家に住む人間の異常性に気がついていた。父親は、世を騒がせる連続殺人鬼だったのである。その張り詰めた空気こそが、その心臓を貫くような視線こそが、「殺気」であることを知るのはずっと先のことであったわけだが。 そんなこんな、異常性に幼いながら気づいていた少年は、なかなか家に居付かなかった。その代わりに暇があれば訪れた公園で、ある少女と出会う。彼女は孤児院で暮らす、活発で、よく笑い、無鉄砲で他者想い。そんな子供が自分のなにをそんなに気に入ったのか。懐かれてしまったことで、いつしか今まで他者から遠巻きに見られていた少年の方も懐いてしまったらしい。それから、幼なじみであり妹と称するようになった彼女との交流は、数年後にぱったりと途絶えることになる。 さて、青年となり大学生活をわりと無気力に送っていたある日。彼はいつもの公園で妹たる少女を待っていた。しかし、やってきたのは彼女と同じ孤児院に住む、丸メガネの少女であった。彼女……アルマ・ファルジアが忽然と孤児院から消えて、帰ってこないと。そこからフィリップの目的は、彼女を探すことに定まった。 探すには金がいる。自分の生まれ持った戦闘のスキルを活かし、最も効率よく金を稼げる場所として、彼は傭兵を選ぶことにする。裏も表も関係なく、彼女の情報を探して、探して、探して。そうして6年の歳月を経て、彼は心身ともに疲れ果て、発狂した妹を発見するに至るのである。

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