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#e83929　紅緋 船倉 朝菊（ふなくら あさひ） 別: チューファ　先端恐怖症のコスプレ喫茶店員。 父は浮気をしていた。 母が妊娠している頃に、バレると同時にその女と一緒に逃げた。生まれた子どもは、成長するにつれて父によく似てくるようになった。 母は彼を虐げた。｢アンタはあの忌々しい女と逃げた男によく似ている｣｢顔を見せないで、イラついて仕方ない｣と、ネグレクトと口頭での虐待を受けた。 そんな生活がしばらくして、母は再婚した。生まれた子どもは、母によく似た女の子だった。新しい家族は、暖かい家庭を築いていった。彼を抜きにして。 新しい父も、前夫との子であるということもあり、彼を虐待する母を止める事が出来なかった。妹は父母の愛を一身に受けて、無垢に、傲慢に育った。わがままな妹は、彼を虐げることを娯楽のように楽しみ、行為はエスカレートしていった。 妹からの虐待が暴言から暴力へと変わっていったある日、妹がコンパスを持ち出して｢その顔に穴を開けてやるわよ｣と言って彼に針を向けた。 彼は抵抗し、妹を突き飛ばした。軽い力で、妹は尻餅をついた程だったが、初めての反抗に妹は大声で泣きじゃくり、｢コイツが突き飛ばした｣と喚き散らした。母は彼の言い分を聞かず、激昂して彼を家から追い出した。16歳頃の事だった。 路頭に迷いながらも、コスプレ喫茶の店長に拾われ、なんとか一人暮らしが出来る程の給料で働くようになる。それでも夜な夜な、家族の悪夢を見て魘されることがある。あの男が浮気なんかしなければ、自分はこんな事にならなかったのに。そう思う度に、その男に似た自分が嫌になって自殺未遂を繰り返している。 コスプレ喫茶は、その間だけは別の人間になれる、という一縷の希望に縋ってやっている。自傷行為を隠しやすいのでチャイナ服を好み、化粧をして源氏名も中国名のような｢チューファ(元は菊花ﾁｳﾌｧ)｣と名乗っている。 鏡を見る度に、知らない男の顔が笑っている気がして、鏡を見ることを嫌う。 源氏名を名乗っている間は朗らかに柔らかい口調で笑うが、素は乱暴な口調で笑わない性格である。 チューファ:おれ 素:俺 ｢やっほー。また来てくれたんだ〜｣｢あっはっは。楽しそうだね｣｢……家族がなに、どうだっていいだろ。あんな奴ら｣ 名前の菊はアンモライト(菊石)から。石言葉は｢過去を手放す｣ 通過シナリオ 『海も枯れるまで』

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