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【長い！ 三行で！】 働かずにホームレスだということを嘆き自分に八つ当たりするの母親に嫌気がさしていた所でたまにパンとかくれるヤクザの兄貴にウチに来るか？　と言われるが優吾はついていった。 体も心も成長していくうちに、自分は男の体だけど女性的な物を好み男性を好きになると知って殺し屋の仕事と自分がなりたい自分像を擦り合わせ、中性的な自分を手に入れる。 そして、今は組みや組みと繋がりがある人物から来る依頼をこなしている為、組みからの依頼を優先するVIP専用の殺し屋となっている。 　立花優吾の五歳ごろ迄の記憶にはいつも母親がいた。　咽せるほどに濃く甘い香水の匂いをさせて笑いながら自分を虐げる母親だ。　彼はそんな母親が苦手だった。　打って蹴って雨水に浸したダンボールを主食にさせてきた母親だが、自分の生命線であり時々くれるチョコやキャンディーのお菓子が美味しかったから彼は今でも彼女を嫌いになりきれずにいる。 　普通ならばそんな生活を続けていて苦手のままでいるのは難しいと思うが彼を救ってくれる親しい人がいた。　その人は髭面で大きな体躯に顎から頬にかけて刃物で切られたような大きな傷をこさえ、ワイシャツの隙間からは刺青が覗いているような男。　明らかにヤバい人だとわかる彼に優吾が近づいたのは四歳の春。　いつも通り一人でダンボールハウスの中で夜を過ごしていた彼は激しい破裂音を耳にした。　何があったのだろう？　ほんの少しの興味とほんの少しの恐怖心で彼はその音がした場所に向かう。　そこには赤い液体を溢した後があり、木陰に続いていた。　目を向けるとそこには大男が真っ赤に染まった腹を手で抑え、脂汗をかいている。　優吾は幼いながらに大変そうだと思い、彼に話しかけた。 「おじさん」 「……んだ……ガキ、か。　どっか行きやがれ」 「それ、痛い？」 「あぁ……クソほど、いってぇぞ」 「……待ってて」 「おい！　どこ行きやがる。　まさかサツじゃ！」 「サツ？　ごめん、お金はない。　けど、ガムテープならあるから血は止められると思う」 「……は？　あ、おいっ！」 　優吾は急いで住処へ戻り、ガムテープと昨日上機嫌な母が持ってきた小さい個包装のチョコを握りしめて元の場所に戻る。　そこに男は変わらずいた。　すぐさま駆けて近づき再び声をかけた。 「ガムテープ巻くよ」 「…………」 「ねぇ……血、止まらないんでしょ？」 「おい、何が目的だ？　ガキ」 「目的？　……そうだね。　僕より、かわいそうに見えたからかな」 「……ハッ、そうか。　そうかもな」 　そう言って、目の前の男は腹を押さえていた手を退け子どもの拙い治療を受けた。　男は小さくありがとなと言ったが、優吾は特にそれに対する返答はせずに思い出したような声をあげる。 「あ！　……忘れてた」 「何をだよ」 「おじさん、ポッケにチョコ入ってるからあげる」 「は？　でも、お前」 「いいから」 　少し戸惑いながらもポッケに手を入れて中にあった四角い物体を掴み手を開く。　そこには、子どもが言った通りのチョコレートがあった。　が、ますます彼は戸惑った。　見てくれは公園にいるホームレスの子どもだ。　汚く依れて穴が空いた服を着ているし、ひどく臭うその子どもが貴重であろう自分のお菓子を渡している。　そもそも、血を流している刺青が体に彫られたデカい男に近づき治療しようなどと言うのも男が思っている子どもからは逸脱していてどうしたらいいのかわからないでいた。 　その様子を見て優吾は微笑みながらいう。 「よかったら食べて」 「いや……わかんねぇ、わかんねぇよ。　お前がしてぇことがよ」 「？　言ったじゃん。　僕よりかわいそうに見えたから優しくしてるんだって」 　ズレた感性、狂った状況。　血を流しながら戸惑うヤクザに、血塗れの手を気にせず施しを与えるホームレスの子ども。　この風景から、二人の奇妙な関係ははじまる。 　約一年、恩を返すためにそして口封じのためにヤクザの男『後堂 万(ごどう ばん)』は優吾がいる公園に通ったのだが。　知れば知るほど彼はこの子どもが可哀想になっていった。　母親はマトモに働きもせず男にせびり夜になるたび男の元へ行っては貢がせて美味い飯を食らい、パチンコに金をぶっ込んでは子どもにひもじい思いをさせる。　それだけなら、と言ってはなんだがそれ以上に最悪なのは、その子どもにネグレクト以外にも肉体的精神的暴力をしていると言うのだから救えないとヤクザに身を置く彼でも思った。 　その話を聞いたからというのもあるが何よりも救えないと思ったのは辛くはないのかと聞けば辛いと答えるが助けを求めた姿は見た事が無く、寧ろ近所の婆さんの荷物持ちや迷った人の案内などを率先してやっている姿はまるでいつか報われると信じているように見えてこっちが辛くなっていったのだ。 　流石にヤクザの自分が手を差し伸べるのはどうかと思って恩返しだとか言って弁当やパンを差し入れて、一年。　彼は、一度だけ試してみようと思っていつも通り弁当を差し出しながら話しかける。 「……おい、ガキ」 「ん？　なに」 「あーーー。　お前さ、俺の住んでる所に来るか？」 「………………え？」 「いやー、そのー、な？　俺、真っ当な仕事はしてねぇけどさ。　ここよりは良い環境でお前を育ててやれると思うし、お前が望むのなら……そのぉ、な？」 「……」 　子どもは黙って立ち上がり走り去る。　やっぱり、こんな強面ヤクザの話にのってこないよなと思いながら、もうここに来るのはやめようかなんてナイーブになって空を見上げていたら子どもが顔を覗いてきた。　驚いて起き上がると彼は顔を引っ込めて万を見つめてくる。 「な、は？」 「連れてってくれるんでしょ？」 「……は？」 「真っ当じゃないけどここより良い環境で育ててくれるんでしょ？」 「お前」 　彼の手元を見れば、手提げを持っている。　何か大事な物でも入れて持ってきたかのように。 　もう一度顔を見れば優吾は微笑みながら。 「報われるなんて思わなかったけど、やっぱり人には優しくした方がいいんだね」 　なんて、言い切った。 はい、小説タイム終了。 　 　それから彼は体をきれいにした後、万に連れられ組みに挨拶し、万や一部の構成員が住む一軒家の賃貸で万と一緒に住み始めた。　小学校に行き、九歳の夏。　隣組の者が家に攻め込んで来た。　優吾は家で料理をしていて玄関の扉が開く音が聞こえ最初は万が忘れ物でも取りに来たんだろうと思っていたが万は必ず「ただいま」だったり「優吾帰ってんのかー？」など声を掛けない事が無かったので違和感を感じ、熱々の煮物が入った鍋を持ち待ち構える。　そしたら、見知らぬ男が入って来て連絡もなかった知らない人間に容赦無く彼は鍋の中身を足にぶっかけ、咄嗟にしゃがみ掛けたソイツに残りの鍋を頭からかけ目を潰し、土鍋を頭上から落とした。　動かなくなったソイツの手に足を乗せ持っていた包丁など武装を解きながら携帯で万を呼び処理をしてもらった。 　その事を拷問や殺しを教える構成員である「馬路 素晴(まじ すばる)」の耳に入り「生きている人間に容赦ない攻撃を仕掛けれるのは才能だ！　まぁ、大人になってからその才能が消えてしまう事があるが……まぁそれは後で考えよう。　どうだい、組のため万のため、人を殺したり人から話を聞き出したりする仕事をしてみない？」と言われ、救ってくれたみんなの為ならと彼は殺し方と、拷問のやり方と、情報の集め方を習いはじめた。 　習い始め、殺しや拷問の見学したり一部の情報収集を素晴と一緒だが任され始めた頃。　彼はふと、自分の体に違和感を覚える。　どうして、こんなに筋張って角ばっている体なんだろう、着たい服が似合わないじゃないかと。　 　そして、師である素晴の顔を見るたびに鼓動が早まり、今何をしているんだろうと気になり始めるようになった事がきっかけで自分は綺麗な服や小物、オシャレが好きで男を好きになることを知った。　優吾はこの時、鏡の前で小さく「わたし」と言ってしっくり来た時から自分がどうなりたいのか、何をしたいのかをよく考えるようになった。 　中性的な見た目になり久しい頃。　素晴に告白したが素晴は「確かに好かれているのは嬉しい。　でも、僕には恋人がいるから君の告白を受けることはできない」と言って断られ笑顔で「わかった。　返事をちゃんとしてくれてありがとう」と返事をしてこの恋を終わらせた。 　その後、組に新しく来た情報専門の『間宮 志姫』が優吾のもう一人の師匠になる。　拷問と情報収集を得意とする彼女は人を籠絡させる方法を、殺さず確実に情報をもらう術を教えた。　そして、中学卒業と同時に人を殺し、高校入学と同時に拷問をしてそれから今まで警察に捕まること無く、組のために自分のために働く殺し屋になったのだ。 【優吾という人間の人生】 　九月二十日 十四時二十二分、アル中の父親とセク中毒の母親の間に生まれた男の子。　生まれてすぐに両親は離婚しパッと見普通の母親に引き取られるが男性関係にだらしない事を母方の祖父母に知られ問い詰められて実家から優吾を連れキャバ嬢をしながらネカフェ生活を暫くしていたのだがセク中の母親が男を我慢する事ができずキャバ嬢の規約にある『客と肉多関係を結んだ人は解雇』というものを破ってしまいそのまま場末のキャバ嬢になりながらホームレス生活を送った。 　三歳の時、よく公園に来ていたお婆さんに「良い事したら自分に返ってくるものだから、出来るだけ人には優しくするんだよ」と教わりこの生活から脱するのには誰かへ優しくしたほうがいいかもしれないけれど、自分以上に恵まれてそうな人にはそんな事しなくていいだろうという考えが芽生える。 　四歳の春、親代わりになる『後堂 万(ごどう ばん)』が負傷しているのを助け、一年間 週に四日ほどパンや弁当を届けてもらえ五歳の春に万からついてくるか？　と言われ、保険証や母子手帳と母から貰ったお菓子を持って着いていった。 　その後、普通の公立小学校に通い始めるが、小学四年の夏に家へ入ってきた対立している組みの構成員を撃退し咄嗟の対処や人を害する躊躇を見せなかったのを組の人間が知り拷問と殺しを専門としている『馬路 素晴(まじ すばる)』が才能を感じた為、裏の仕事をしないかと誘われ「断ったら万さんの立場とか悪くなるよね？　なら、やるよ。　それに、組の人たちにも恩返ししたいしね」という返事をして殺しや拷問の方法と情報の大切さを訓練で叩き込まれ始める。 　小学校を無事卒業し、中学に入るが中学一年の頃に女子に告白されても男子の猥談に参加させられても心が動かず、少しずつ少しずつ美しい物や綺麗な物に惹かれはじめ自分の身体に対する違和感を覚え始めていた。　女性的な物に対する好意と男性に対する恋情があるとハッキリ自覚したのは買い物の時。　女性服に目が行き、可愛くてキラキラしたガラス製の小物に心惹かれ、一緒に買い物に来ていた素晴の気遣いや動作に鼓動が高鳴り顔が熱くなったから彼は気づいた。 　その後、家の鏡に向かって「わたし」と言った途端しっくり来て｟自分らしさ｠を模索する日常が始まった。 彼が模索し自己分析したことで分かったのは、ふわふわもこもこした毛布や服に、赤やピンクに紫の色合いやパステルカラー、フリルよりもレースが好きでパンプスやブーツが好き、長い髪より短めでふんわりとセットした髪が好き、男の人の身体や声に仕草がドキドキする事など、彼はそれが一般的ではないから組や師匠、バンにしか言えないという事がわかって優吾は明るく歯を見せるような子供らしい笑い方が出来るようになった。 　中学一年の冬、初恋の相手である素晴に告白し断られスッキリした心持ちで訓練を再開する。　その後、新年早々に情報の専門家『間宮 志姫(まみや しき)』と出会いコスメの話や恋の話で盛り上がり気にいられ「わたしの情報に関するテクニックを教えてあげる！」と言われてそのまま彼女にしかない身体や言葉の使い方を教わる。 　そして、中学卒業の日に素晴から出された卒業試験で隣組の愛人を殺し、高校入学の日に志姫から出された課題で隣組管轄の裏カジノの管理者を拷問し情報を抜き取って無事組の構成員として迎え入れられた。 　それから様々な人物を殺し、拷問し、情報を組に伝え警察に捕まる事なく今日に至るまで彼はそれなりに幸せに生きている。 【殺し屋としての優吾】 　彼の得意な殺し方は近接白兵と遠距離狙撃と毒物である。　彼の主なターゲットは「組からの直接的な依頼」と「組が依頼を受けるほどの権力者からの依頼」と「権力者の関係者からの依頼」がほとんど。　なので、場合によって武器が異なる。　ただ、基本的に顔や雰囲気を覚えられない為に変装は常にしているようだ。 　「組からの直接的な依頼」の場合、遠距離狙撃が主である。　自分の顔が割れていて、尚且つ近づく者に警戒をしている人間が殆どな為だ。　殺せなかったとしても場所の特定、場所へ向かう時間があるため退去が可能。　銃痕で特定は日本なのでちゃんとした銃の商売している者は多くないから出来なくはないが業者を特定しその業者に聞き出すのはさらに時間がかかる為、その前に殺害してしまえば良いのだ。 　「組が依頼を受けるほどの権力者からの依頼」の場合、どちらかと言うと毒物が多い。　自分の顔は最初から割れていないがターゲットに近づきすぎるのは権力者に覚えられるリスクが高まる為、変装して目立たない出張シェフや家事代行サービスとして一回〜五回ほど呼ばれた時に毒物を混ぜてターゲットを殺す事が多い。 下記の方法で殺して、権力者に協力してもらい色々な証拠を消してもらう場合もある。 　「権力者の関係者からの依頼」の場合、どちらかと言うと近接白兵が多い。　自分の顔が割れておらず自分が犯人だと結びつきにくい一般人が主な相手が多いため、ワンナイトを迫ったり友達になろうといって近づいたりターゲットの住んでいる近所に遊びに来る人間を装って近づいたりなど様々な方法で近づき油断した時に殺す。　あまり近づけない場合は上記のような方法や本人に近づかないでファミレスなどの飲料物に毒物を混入させる事などもある。 【拷問師としての優吾】 　彼が実行する拷問は主に、精神的拷問＝性的拷問＞肉体的拷問＞監禁拷問。 しかし得意な拷問は、監禁拷問＝性的拷問＞精神的拷問＞肉体的拷問 というような順番である。 　素晴に仕込まれた拷問術は精神的拷問と肉体的拷問で、志姫に仕込まれた拷問術は性的拷問と監禁拷問。 どちらも人を追い詰める方法だが、拷問相手を攻撃し無理やり情報を口に出させるのが前者で拷問相手の心に漬け込み籠絡のが後者だ。 前者の方法は手っ取り早く低価格だが恨まれ復讐される事が多く、後者は時間はかかるし高コストだが恨まれるよりも粘着され奴隷のようになる事が多くなる。 　メリットデメリットやタイムメリット、予算などを見極め使い分け、組に情報を渡す。 【彼に縁ある人物】 ・後堂 万(ごどう ばん)　五十一歳　男　独身 　組の幹部側近に位置するおいちゃん。　幼い頃借金の担保として組に預けられずっと組で働いていた為、立ち位置的にはずっとアウトローな人物なのだが一般常識や道徳心があるから若い頃は死体や血を見てよく吐いていた。　今より下っ端だった時代に優吾と出会い、不思議な雰囲気と不幸な生い立ちに惹かれ救い出す。 　今となっては父親的な存在になれていると自信を持っているが、優吾がまだアイデンティティーを確立できていない時代は必要以上に話さず家事全般を黙々とする優吾に保護者として不甲斐なさを感じていた。 　その話を優吾にした時は爆笑されちょっと泣いたのは内緒。　現在は一部のキャバやパブの経営とカチコミの特攻隊員として組内で活動している。 ・馬路 素晴(まじ すばる)　四十六歳　男　既婚 　組の拷問や殺しを行なっている一人。　祖父からずっとこの組に所属していて、親子三代で拷問と殺しをしてきたからかそういう事に対する罪悪感のようなものは薄い。　性的嗜好は至ってノーマルだが偏見がないタイプ、優吾の好意にも気がついていたしいまだにモテる色男。　ちなみにイントネーションは、マ→ジ↓ではなくマ↓ジ↑である。　基本的に微笑んでいる男で、殺しの才能や新しい拷問の方法などを見つけると笑顔になって話し始める変人変態。 　奥さんは素晴がヤクザの人間と知っていてそれでも彼の気遣いや優しさに惹かれたらしく二十六歳ごろ結婚した。 最近、娘に「パパくっさい」と言われてガチ凹みした。 ・間宮 志姫(まみや しき)　秘密 歳　女　既婚 　フリーランスだった情報屋兼拷問師だが、組にいた馬路じゃないほかの拷問師と結婚し組にきた女性。 中性的でどこか儚げの優吾に興味を持ち話しかけたら予想以上に女の子していたため気にいりいまだに一緒にコスメ漁りに東京や韓国に出向いていたりする。 　息子と娘がいるらしいが年齢を頑なに言わないのもあって息子娘の年齢はわからないが社会人ではあるらしい。 最近イエベブルベとか流行ってて好きな色使えないって子が増えてると聞いて好きな色を好きな場所に使えないってなんちゅー嫌な時代だと訳わからなすぎて震えている。 ・母親　立花蜜花　51歳 どっかで野垂れ死んだとは思うが詳細はわからない。　優吾が気にもとめていない人物……のはずだったが、気にしてる。　探偵に頼み最近になって母が生きていて毒夫に支配されていて尚且つ弟が生まれてることが判明。　毒夫が隠していた麻薬系の商売を警察に告発し母と弟を助けぎこちないが今まで離れてた実の家族との絆や時間を積み重ねている。　やっぱり母は苦手だが嫌いじゃない。 ・弟　立花優士 5歳 父親違いの弟、無口で感情の起伏が穏やか。　クソ父から救い出してくれた兄を尊敬してるし実の兄として懐いている。　 ※知識が－25されているのは彼のEDUは学力的な頭の良さではなく、仕事がどれだけ身に付いてるかの数字だと思った為である。 　

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