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日向日 七海(ひなたび-ななみ) ＊4682B4 X2U 〜大正文豪×現代探索者〜 HO2・現代探索者 　文系の大学生。しらーっとした顔してはちゃめちゃに好奇心旺盛。見かけによらずアクティブだよね……とよく言われる。 　顔に大きな傷があり初手の印象は良くないが、ハマる女にはハマる。男にもたまにハマる。交友関係は広くない、むしろかなり狭い方だが、やたら変な虫を引き寄せる。遊びならいいけど本気はダメだよ〜って毎回言ってるらしい。やめといたほうがいいと色んな人から言われるタイプの、引っ掛かったら危ない男。 　日向日 暮の義兄。前姓は白鳴(はくめい)。その昔に虐待を受けた家からは自力で脱し、その足で児童保護施設に向かって保護してもらい、日向日家に養子として迎え入れられたのが、8歳の時の話。 【通過シナリオ】 ・大正浪漫X2U　〜文豪×現代探索者〜 ・扇風機をつけたら家が発進した　END1 ・終電逃したわ、一晩泊めてよ　エンドB-2 ＊以下X2U〜文豪×現代探索者〜　HOバレあり 【よろこび】 ・喜ぶこと。また、その気持ち。 【よろこぶ】 ・好ましい出来事に満足しうれしく思う。〜に喜びを感じる。 ・好ましいこととしてうれしく思う。喜んで受け入れる。歓迎する。 ・喜びに心が浮き立つさま。また、依頼などをこころよく引き受けるさま。 　広辞苑・明鏡国語辞典より抜粋(一部省略) 　その感情を、辞書で引いてみたことがある。けれど辞書には、喜ぶとは喜ぶという意味です、としか書いていない。喜びという感情が人間に存在する事を「あたりまえ」として、この世界は回っている。それが怖かった、自分だけがそれを知らないのが恐ろしくて仕方なかった。だから、どうにかそれを知りたくて、もしかしたら自分は、まだ喜びを覚える事をやったことがないだけかもしれないと思って、何でもしようと、色々なことに手を出してみた。 　美味しいと思えるものを食べたことがないだけかもしれない。 　嬉しいと思える出来事に出会ったことがないだけかもしれない。 　喜んでほしいと誰かに願われたことがないだけかもしれない。 　笑顔が上手になれば感情もついてくるかもしれない。 　喜びという感情について学べばそのうち感覚としてもわかるかもしれない。 　もしかしたら、他の人が喜びを覚えるようなことでは満足できない性質なのかもしれない。 　そもそも、喜びを知らないと思い込んでいるのがまずいのかもしれない。 　でも、全部ダメだった。望みなしと思えるほどに何の感触もなかった。もうあとやってないことっていったら、この手で人ひとり殺してみたら、…………俺は一体何を……。 　極端な発想に振り切れた頭を抱え、その時初めて自分自身のことを怖いと思った。 　いよいよその感情について、自分はもう知ることはないのかもしれない、と半分諦めていた。嬉し涙とかいうけどあれもよくわからない。そんな折に、彼はある小説に出会った。 　咲間葉雪による翻訳小説。たまたま借りてきて軽い気持ちで読んだそれに、言いようのない感情が浮かんだ。ぐるぐる巡って暴発する熱量が身体中を焼いて、ボロッボロに泣いた。時間も呼吸も忘れ、泣きじゃくりながらその小説を読み終えた。以来、きちんと書い直して、何度も何度も読み直し、今では丸暗記しているほどの愛読書になっている。 　どうして泣いているのか、まったくわからないのに、読むと必ずじんわり涙が浮かんでくるのだ。悲しくも悔しくもない、じゃあ喜びなのかというと……わからない。なのにずっと泣いている。自分が知らなかった心の隅を揺すられている。 　そんな文章を書く咲間葉雪とは一体何者なのかと調べるうちに、大正四年に謎の失血死を遂げていることが判明。天才は早死にするというが、もしこの人がもっと長く生きていたらもっとこの人の作品が読めたかと思うと残念でならなかった。ただし、ボロ泣きしたのは手に取ったその小説のみで、同作者の別の本を読んでも大した感情は湧いていない。 【通過シナリオ】 ・大正浪漫X2U　～大正文豪×現代探索者～ 【各種ダイス】 ・私立大学に通っている（小ネタとしては宇久井靫也と同じ大学） ＊ 　拝啓、親愛なる先生へ。 　あのあと、先生の新刊を読みました。長生きしてもらえたみたいで何より。あれから、新刊含めて先生の本読み直したんですけど、なんだか今まで読んだ時より面白かった気がします。葉雪さんのおかげかもしれません。 　それから、お気に入りの本ですけど、あれを読んでも泣かなくなりました。もちろん、飽きたとかじゃなくて、今でも大好きですけど、涙として感情が零れていくことはなくなりました。その代わり、自分の中にためておけるような。心に穴が開いていた場所に、ちゃんと入るようになった気がします。 　俺はずっと、何で俺だけ空っぽなんだ、って思ってたんですけど。もう大丈夫です。先生は俺から命を貰ったって言ってましたけど、俺も同じです。たくさん貰ったから、先の先まで歩いていけます。 　それじゃあ。 「……また来ます。先生」 　見上げれば夏の青空。墓石に供えた赤い花が揺れた。 小ネタ:一人暮らし限界飯の民。昨日の昼飯ゼリーだったとかよくある。

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