タグ： しかくいいきもの

｢だって僕は眉目秀麗で才色兼備だから？｣ 由緒正しい名家のお坊ちゃま。自信家で傍若無人で金もあれば教養もある、あらゆるものを欲しいがままにしている鼻持ちならないクソガキ様。しかも自らの顔の良さを良く分かっていてそこに何の疑問も持っていない。 ある一帯で歌姫と呼ばれていた売春婦の子供。美しい面立ちはどちらかと言うと母親似。幼い頃は母親と過ごしていたが死別し、父の家に引き取られた。 母親も自分の家も聖母を信仰している。 ここから長いので読んでも読まなくても↓ 家の恥にならないために教育を施されているし、物も環境も文句無く与えられているが、いずれ家を継ぐのは弟であり、例えどれ程才があろうと弟を超えることはできない。 ただ、それを理解して要領よく立ち振る舞うが故に妾の子にしては可愛がられた。めちゃくちゃ大事にされてる使用人って感じ。 哀しいことに、美しく優しい実の母親も、才覚に溢れ厳格な父親も、気品に満ちて凛とした母親も、聡明で可愛い弟も、全員を愛していた。 サンタ・アンジェリ聖歌隊からの手紙はある意味では救いであり、家も別に名声の為に死ぬのなら良いと、｢天使になるのだよ｣と。 そうか、天使になればきっと自分は楽になれる。いつか疲弊して家族を嫌うこともない。 けれど、病で苦しむ実の母親を助けてくれなかった聖母など何だと言うのだろう。 あぁ、母親が死ぬ前に自分がクワイアボーイズになれていたならどんなに良かったことだろう。 そんな迷いや想いをおくびにも出さず、彼は聖母への強い｢信仰｣を語り、｢天使｣になりたいと心から願うフリをする。 アザトースの招来(ミサ・ジ・レクイエム・ペル・シュジャイ) 精神的従属（天使の子守唄） 精神力吸引（魂救済の歌）

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