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ときとう　きい 時任家の養子。上に兄と姉とも言うべき人が一人ずついる。あまり話したことはない。 プライベートでは一般の大学生として振る舞っているが、 その裏で「家」の命として義父の方針に従い、"仕事"に臨んでいる。 義父に対して絶対的に従順であり、元来から一番に尊敬する相手としている。 自発的な活動を不得意としており、情緒不安定。衝動に振り回されやすい。 やることはやる。使命感を感じたことなら猶更のこと。能はなくとも妥協はしない。 自分が求めようとしている真実・真相に関してなら尚のこと積極的に臨むだろう。 色々不安定だが。 彼自身はいずれの所属にもつかず、オーヴァードの人体実験の試験体として利用されていた。 如何な治験を受けても耐え抜き生き続け、結果として彼のおかげで"研究が進んだ"とも。 だがしかし、彼を徴用し続ける必要性もまた同時に失われた為に、周囲からの関心は殆ど残っていない。 その時の衝撃が「捨てられる」「要らないものとされる」ものと感じた為に、 どのような目で見られようが追い縋ろうとする節がある。 実家は現存。事故に巻き込まれたのを切欠に、生命活動維持（その後は被検体とはなったが）の為に今の家に差し出された。 旧姓・実家のことなど凡そ10代前半頃にかけての記憶は事故・実験の影響で殆ど覚えていない。 四肢は左腕を残し義肢に、右目もまた機械の義眼を通して見ている。 痛覚・触覚はいずれの義肢にも存在しない。 -- 研究者の"未知花"とは、自分の事情とはまったく別として、関わりを持っていた。 偶々自身がいた研究所内で見かけたか、 また人づてでその存在を知ることになったかが切欠で知り合い、交流を深めることに。 もしかしたら紀側から勝手になついたとも。 めちゃめちゃな実験に付き合わされても特段文句は言わず、 寧ろ研究熱心な彼女に自分が尽くせることがあればと思うところさえあっただろう。 『ロストナンバー』となって以降も足蹴く通ったが、なるべく気を遣わせないようとは考えていた。 そんな彼女から渡された人工知能は唯一の他者からの贈り物でもあった為、とても大事なもののように扱っている。 -- 沢山の人が研究所を出入りしていた。名前はお互いに呼ばないせいで殆どわからなかった。 ただ何度も見れば顔も覚えた。陰った義父の表情だけは未だに記憶に残らないのだが。 同輩の学生たちの顔も殆どは印象に残らない。どこにでもいるありきたりの人達。 ＿＿であれば、この既視感は何だろう。

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