タグ： 海も枯れるまで ロスト

私はピアノにすべてをかけてきたの…。もうピアノが弾けないなら、いっそ死んでしまったほうがマシよ…。 音羽美弦は幼少期から様々なコンクールで良い成績を残し、音大を優秀な成績で卒業した、いわばエリートピアニストだった。 抜群に美しいその容姿から、プロになってからも「美しすぎるピアニスト」として注目された。 物心ついたときからピアノに触れ、青春のすべてを捧げたといっても過言ではない。 美弦はピアノを心から愛しており、ピアノが織りなすメロディから伝わる、人々の成熟した経験、愛、想いといったものに強く惹かれていた。 しかしある日突然、指が動かなくなってきた。次第にピアノも弾けなくなった。 病気が原因らしく、医者いわく「もう一生ピアノを弾くことはできないだろう」とのことだった。 美弦はひどく絶望した。狂うように泣いた。ピアニストを引退し、完全に塞ぎこんでしまった。 生きがいも、職も、夢も失った美弦は絶望と虚無に襲われた。 「ピアノが弾けないのならもう死んでしまいたい。どうして、どうして私なの？私、何か悪いことした？」 孤独に、心の中でそう訴え続けた。でも誰も手を差し伸べてはくれなかった。 「ああ、もう死んでしまおう。そしたらこんなに苦しむ必要もないんだから」 美弦は深く自殺願望を抱くようになった。死に場所を探したり、自分で自分を傷つけ、何度も何度も死のうとした。 失敗するたびにまた絶望した。 ※ピアノに技能振ってますが、弾けません。指はゆっくりなら動かせますが、早く動かすなどはできません。家事、文字を書く、本を読む、スマホを扱うなど、指の動きに素早さがいらないものであればできます。ピアノ、早いタイピング、咄嗟に武器を扱うことなどはできません。

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