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✤ とぎく むつめ ✤ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 「なんですか？こんなこともまだ出来ないなんて…」 「愛してますよ、誰よりも。憎くて愛しい恩さん」 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 九角家に使える従者。 その出生は九角家の当主が愛人と作った子供である。 愛人の女、つまり母親は精神的に弱くいつも惨めだと泣き喚きあたり散らし暴力を振るってきた。その後にすぐ彼女は「六蒲、愛しているわ」と言って抱きしめる。 彼女はいつもいつも九角の当主、自分たちには見向きもしない男のことについて話していた。何が素晴らしいのか、どんなに素敵な人なのか、逐一説明しては情緒不安定になる。彼女は最終的には耐えられず自死を選んだ。そんな母親とボロアパートで暮らし、一日の生活すらままならないような幼少期をすごした。 彼女への想いは「馬鹿な女だなあ」程度でしか無く中学の頃に天涯孤独となった。その頃、九角家の投手、つまり父親にうちの家で生まれた子供に仕えないかと言われた。 どれだけこの男は俺と俺たちを馬鹿にすれば気が済むのだろうか、いや、この男にそんなつもりは無いのかもしれない。むしろ"親を失った可哀想な子供"を拾ったつもりだったのかもしれない。 プライドも何もかもをかなぐり捨て生きるために一生この家に媚びへつらうことを決めた。 使えるべき相手として渡されたのは5歳下の少年。言ってしまえば、腹違いの弟のようなもの。 ただそこに愛情も親愛も無く虚無だけだった。しかしそこにいた小学生の彼は愛されて何不自由なく育ち、将来を約束された子供だった。 ひたすらに羨ましくただただ憎いと思った。生まれた女の腹が違うだけでどうしてこうも境遇が違うのか。愛されることが出来たのか。 悔しく、憎く、羨ましかった。 しかしある時彼が怪我をして帰ってくる。何があったのか詳しくはどうでも良く聞くことは無かったがその姿が嫌に頭にこびりついていた。 何となく、彼のその姿をもう一度見たいと思うようになった。その後うっかりを装って彼を傷つける。赤い血を流した彼の姿が異常に愛しく思えてしまう。 そしてひとつのことに気付く。 一度だけではなく、何度も、何度も、ああ、これがあの女が狂っていた愛や恋と言ったものなのではないか、と。 そしてこの凶行に至る。キモすぎ ▮ 名前由来 └ 十日の菊 六日の菖蒲 必要とするときに間に合わず、手遅れとなることにたとえる。 ▮ 通過シナリオ └ 芋虫。 / NPC └ 桃源婬祠 / KPC

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