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精神的にかなりタフな精神科医。 幼少期より一般的に言う男の子が好むような“かっこいいもの”と言うのに憧れていて、自分も将来ヒーローのようなかっこいい事をしたいというヒーロー願望的なものがある。 本人的には力は無いので頭でかっこいい人になるにはと考えた結果、医学………とりわけ精神医学についてかっこいいものと考えるようになり、将来的にその職につけるように精一杯の努力をしている。 つねに冷静ではあるが冷徹な訳ではなく、寧ろ社交的な方である。本を読むのは好きだが同様に人と話すことも好きなタイプ。 高校時代は文芸部に入っていた。 ヒーローは、カッコイイ。 そう思い始めたのはいつ頃か。 なんの変哲もない普通の少女がどっぷり男の子の趣味のようなものにハマってしまったのには、理由がある。 少女は、幼い頃より感受性豊かで、人の顔をよく見ることの出来る子だった。 しかし、だからだろうか。 彼女は幼いながらに、大人の闇を見つけてしまった。 表面的には、仲が良さそうだが………しかし、あれは相手を恨み、妬む目だ。どうしてそんな目を向けているのだろう。あの人達は仲がいいのでは無いのだろうか。 そんなことが、しょっちゅうあったのだ。少女にはそれが何を示すのかまでは流石に理解する事は叶わなかったが、そんな闇を四六時中見せられて無自覚に女性恐怖症となってしまったのも、無理は無かった。 そのうち少女は“女同士の関係”そのものに拒否反応を示すようになり、そういった類の多分に含まれるアニメやドラマ等はほとんど見なくなってしまったのだ。 年頃の女の子が見るキラキラとした“女の子”のアニメなんて、地雷以外の何ものでもなかった。 そうしてそういう年頃の女の子が好きな物から避けに避けた彼女がたどり着いた先は、自身の周りにいる男の子が好きだというヒーロー物のアニメやドラマ。 それも確かに女同士の関係性が無かったとは言いがたかったが、しかし、可愛いを強調するものよりカッコイイを強調するものの方が少女によって惹き込まれやすかった、というのは、言うまでもない。 年をとるにつれて、彼女の女性というものに対する拒否反応は減っていった。しかしそれは無くなったと同義では無い。 周りがよく分かるから、精神を強く保たねばならない。 その精神のタフさは生まれ持った物のようではあるが、その実そうならざるを得ないものだったと言っても過言では無いだろう。 そうして鍛えざるを得なかった精神を持って、今日も彼女は本当は見えてるはずの陰から逃避して生きているのだ。 そういう逃避をできるようになったからこそ、彼女は女性が怖くない。 だが、しかし。 ＿＿＿＿＿＿＿彼女は今日も、“オンナノコ”が分からない。

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