タグ： 薊猫(あざみねこ)

名も知れた名家の双子の姉として生誕。 誘拐されたのだ。名家なら有り得る話であった。 普通の誘拐ならば良かったのに…。 双子とも研究施設のような場所に閉じ込められた。そこは6畳程度だと言うのに10人程度の子供達がいた。 皆怯えていた。勿論こんな所に急に連れてこられて怯えないわけが無い。 配給もあまりに粗末なものであった。 ただ、日に日に1人また1人と何処かへ連行されて行った。部屋は広くなったのに心苦しく押し潰されそうな気分になっていった。 もし…このままなら妹とも離れてしまうのだろうかと不安でいっぱいだった。 その日がやってきてしまった。私と妹が一緒に連れていかれた。 何故？どうして？私達はこんな目に遭わなければならないのだろう。神様…助けて…。 別な部屋のベットに拘束され目隠しやら電極を付けられていく。 あぁ、私達はモルモットのような"実験サンプル"だったのかもしれない。はたまた、何かを見つけだす為の"選別"をされていたのかもしれない。 運が悪かった…違う…違う違う違う違う違う違う。 私は選ばれた。選ばれてしまった。選ばれた？なんで私が？この私が選ばれた？なんでなんで…じゃあ妹は……。 隣には妹はいなかった。いなかったというより妹ではなかった。何かがそこに居た。 あれは妹？妹じゃない…あんなの妹じゃない。そんな運命なんて嫌だ。嫌だ。 何も出来なかった私は惨めだ。惨めだ…。 神様なんて居なかった神様なんて…。 私は見放されたんだ。神に。 直後けたたましいアラームと轟音が響き渡る。 職員が慌てている。何があった…？なにかが起きてる…？ あまりの精神疲労と突然の出来事に視界は途切れた。 また目を覚ました時はベットだった。でも違う天井だった。横を見れば窓があり。外が見えた。 病院のようだった。先生が言うには数ヶ月程意識が戻らなかったと言う。 今はいつで、親は妹は…心配になった。横にはシワひとつない綺麗なベットがあった…。私だけなんだここにいるのは。 なのに私を親が探さない訳が無い、こんなにも長い時間行方不明になったのだから。 でも、そうじゃなかった。そうなり得なかったのだ。今いる世界には私は一人っ子で、親なんて居ない不明だと言うのだから。 暫く病院生活は続いたが、UGNという団体が私を引き取るそうという話が進んでいた。 勿論どんな団体かなんて分からなかった。 ただ、私が誘拐された団体によって眠っている力を悪いことに利用するための素体探しとして誘拐されたというのは聞いた。 とりあえず状況を飲み込むのに苦労はしたが、ここで過ごしていくことにした。どうやら私には力があるらしい。 それをしっかりと鍛錬していけば誰かを救うことが出来ると言ってくれた。 慣れない環境ながら鍛錬し生活を送っていった。 数年である程度の実績を積むことが出来、支部長になるらしいという。 支部長という響きはあまりまだ違和感があるが、その地区に構える事になった。 表向きにはどうするかと色々言われはしたが教会を提案した。 教会ならば人々の悩みから何かしらの情報を聞くこともでき、このような何かに巻き込まれ孤児や、一人っ子を助ける事が出来ると思ったからだ。 神なんてあの時は信じれなかったし、神なんて神様なんて許せなかった。でも、私はもう一度神に神様に祈りを捧げる。 "妹"や"家族"を返してください。今日も祈りを捧げる。

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