タグ： Nanan（いとくず）

18世紀末葉、と或るサーカスの舞台にてそれは眼を開いた 初めは吊られて踊る淑女の形 それから輝く俊馬の足を戴き、女神ニケの翼になぞらえた右腕を戴いた 左腕はイギリスのジェントリからオパールで作られたものを、髪のひと房は上質な絹で、ヴェールはフランスの婦人が愛したレースが縫い止められた それは人々を魅了し理想の少女・娼婦・母・恋人・女神・聖母・妖婦へと姿を変えていったのだ 彼女は人々の欲望によって美しさを得る ”美しい”と思う心や価値観があるのであれば、その者の理想は彼女となり彼女はその者の理想となる 崇拝を　賛美を　喝采を　愛欲を　その身に携えていつまでも彼女は微笑み続けた 様々な人々の手に渡り、愛され、汚され、与えられ、久遠の時を生きた彼女が最後に記憶したのはいつかのドイツ 或る古物商の住処、賑やかな時計塔の片隅に座っていたこと ただの自動人形であった彼女のメモリーはここでぷつりと終わりを告げた 次に眼を開いたのは工房だった 壮年の男性が彼女の顔を覗き込んでいた 「o...xr...ha...」 喉の機関から聞き覚えのない”声”が聞こえる ききき...くくく...と耳慣れない”駆動音”が聞こえる ぱちりぱちりと瞼が”自由に開閉”した とくりとくりとまるで自身が愛し愛された”ヒト”のように脈打つ、何かが体を駆け巡っていることに気がつくと、彼女は理解した 「おはようございます。ごきげんよう」 「わたくしは人類の愛人」 「永遠の偶像」 「ヒトはわたくしを”アイドラ”と呼びました」 「はじめましてMr.」 「貴方が次のマスターですか？」 「どうぞわたくしを愛してくださいな」 煌く双眸が不可思議に輝いた 職業：人類の愛人 職業技能：人類学/心理学/歴史/応急手当/目星/聞き耳/機械修理 特徴表：2-1　手先が器用　製作基本成功値50％/機械修理・電器修理+10％ ▼攻撃技能 【φεγγάρι（フェンガーリ）】　2d6+db 月輪による斬り付け　身の丈ほどの戦輪のため投擲はできない。反動を使いつつ自身も遠心力によって距離をとったりする。 ▼芸術技能 【Καρφωμένος Είδωλο（カルファメノス イドロ）】　（あなたは私に釘付けになる） 所謂魔眼のひとつ。”美しい”と言う価値観を持つ者すべてに作用する。 戦闘中の効力は、【挑発/魅了】　 （対象の戦意を自分に向ける/対象の動きを阻害する） 平常時の効力は、【魅了/誘惑/精神操作】 （対象が描く偶像に見える/美しく愛したいと思うようになる。懐柔することもできるが、逆にメンタルケアとしても活用できる） 動力源のカルディアは胸に飾られた宝石型のもの 四肢のパーツは着脱可能でその日の気分によって変わる 基本は右半身が異形のパーツ、左半身が人型のパーツで構成していることが多い ひとつひとつは彼女が生きた次代の名匠が作ったものだが、彼女自身スペアを作り出すことをこの街と父の技術によって可能としている そのためスペアを着用している際は”壊れる”ことを気にせずに活動限界まで酷使してしまうことが多々ある 特に本人は気にしていないことが判明しているほか なんならコアである宝石とその裏に格納した記憶装置を傷つけないのであれば自身ごと吹っ飛ばしても良いと思っている節がある、割と大胆 性格はおおらかかつ好奇心旺盛 シカラバに住まう際、浮遊機能と戦闘機能を追加した これは自由に動く体を得たことで発生した好奇心を満たすためで、なんでも気になるロリババア仕様 武器でもある大型の戦輪に腰掛け、ふよんふよんと移動をする、自分でも歩く ゆったりとしているように見えるが、戦闘時は力任せに戦輪を振り回し、半分ぶっ飛びぶっ飛ばされながら戦う縦横無尽スタイル 本人曰くスリルと言うものが理解できそう、とのこと 軽さと小柄な機動性を活かし、相手の懐に飛び込んでいく 度胸のある戦い方ではあるものの、如何せん脆い すぐに素体にガタが来るため、長期戦には向いていない 損傷率が高くになるにつれ、パーツをパージしデコイにした後、戦線離脱を試みる 記憶装置には以前の記憶をしっかりとロックした上でバックアップを屋敷に置いておく徹底ぶり 都合よく人間に作り出され、あれやこれやと付け加えられてきたものの 本人は至って幸せであったと認識している 人に愛され、人を愛した、根っからの人間好きである そのためシカラバに父しか人間がいないことを少し残念に思っている 紡げるようになった言葉で人間と会話することが夢だが、彼女を愛した者達と二度と相まみえることはないと知っているため その点だけは目を伏せて諦めたように笑う 自分の能力に関してはよくよく理解している 支配的にその力を振るうことはないが、時と場合によりけり 機械人形でありながら、現代的なプログラムが根幹にあるわけではない自動人形であったことから より人間に近い思考回路で物事を判断する カルディアと父による改造のおかげで、機械的面もあるものの 彼女自身、記憶装置にある記憶から”心”と言うものが生まれ落ちたと認識している 自分のことを機械人形であると認識していると同時に、自身をヒト由来のものだとも認識している イメージソング:白き花、薄藤に移る夜 イメージ資料：ジャン・ウジェーヌ・ロベール＝ウーダン（自動人形作者）/ドイツの或る古物商/後にイギリスで公演を行うアイドラサーカス/ギリシャ神話全般/ゴルゴーン三姉妹 ステンノ･エウリュアレ･メドューサ 以下ネタバレ有り ▽探索者生還/特殊継続可能 後遺症：ワールドトラベラー 永い眠りの最中、ヨグ=ソトースの寵愛とイス人の加護を受けたあなた方は 猟犬の追走なく様々な時間を旅することが出来る(別世界線への移動は出来ない) ただし神の怒りに触れればこの権利は永久にはく奪されるだろう。 あなたがこの力を有するのは、「機械人形の身体」と「自ら運命を定める意志」という 相反する二つの性質を兼ね備えているからに他ならない。 「おはようございます。ごきげんよう」 「わたくしは人類の隣人」 「永劫のオートマタ」 「過去わたくしを愛した者たちはわたくしをアイドラとよびました」 「はじめまして人間」 「どうぞ、わたくしとお話ししてくださいませんか？」 「友人を探しているのです」 「テルツェットと言うわたくし達のお友達を」 「どうぞ、わたくしのお友達のお話しをきいてくださいませ」

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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