タグ： くろもり かげとら

----------------------------------------------------------------- 母親：黒森　千代 黒森は旧姓 ----------------------------------------------------------------- 幼いころに本当の両親は離婚したと聞かされていた。 自分の記憶にある父というのは血の繋がりのない他人だった。 その父は医者だったので生活で苦労することはなかった。 広い家に住み、小遣いも潤沢、望むものを手に入れるのは簡単だった。 再婚相手との間に子供もできていた。弟と妹だ。 しかし、自分と二人の時以外に母が本当の意味で笑っていることがないと子供ながらに感じていた。 成長するにすれその考えは確信へと変わっていく。 彼とほかの家族への対応の違いは簡単に見て取れた。 だから家族のことを調べたのだ。 家の金庫を破り資料を手に入れて関わっていそうな人に聞き込みを行った。 浮かび上がった真実、本当の父親は小さな病院の医者だった。 しかし、借金を抱えて自殺したそうだ。 その後、奥さんは医者と再婚したという。 今の父親が何かしたのは明白だった。 事実を知った彼は、母を連れて家を出た。 その後の生活は楽ではなかったが幸せな暮らしだった。 探偵業を始めたのはこのころだ。 金を稼ぐ手段の一つだったが情報を集めることは得意だったのか一番の収入源だった。 そんな暮らしも母が病を患い終わりを迎えることとなる。 義父が手をまわしていたのかもしれない。 医療ミスであるかのように殺されたんだと彼は思った。 だから、医者に復讐すると誓ったのだ。

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