タグ： α_mano ドール

　生前は裕福な暮らしをしていたのだろうか。整った身なりと、均整のとれた体は少女を世界に美しく映していた。 　だが、それ以上に少女の身体は傷に塗れている。細かく、しかし無数に刻まれたそれは、数え切れないほどの闘争を見事に生き抜いた証左でもあるのだろう。 　少女は争いの中で死んだのだろうか。束の間の平和に殺されたのだろうか。 　少女の一生には、争いの中に平和があった。戦いの中に日常があった。2度目の死を迎えるまで、その平和な日常を繰り返すのだ。 『壊れた部品』（たからもの） 　時計とブローチを組み合わせたような、奇妙な機械の残骸。欠片が僅かに残る赤い宝石は心なしか光を湛えている。 　少女の首にかけられたそれは、壊れてさえいなければ精工で美しい逸品だったのだろう。今となっては、少女に見合わぬことこの上ない。 『ぬいぐるみ』（たからもの） 　 ARIELへの　依存　３ サヤエンドウへの　友情　３

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