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賢しいだけのお前がどうやって姉妹と行動するんだ? だがお前は【カンフー】とかの無駄な知識が詰まった多少できの良い【リミッター】を取り付けられた頭がある 頼りないその頭で姉妹に襲い掛かる策略を【看破】し足りない所はその体を使って誰かを【かばう】事で役には立つだろう そうしてお前はその悍ましい【うろこ】で覆われた肌やだらりとした毛皮のような【やぶれひまく】で【しんぞう】の鼓動が途絶えても【肉の盾】となれ その身に降り注ぐ恐怖に耐えきれなくなる時が来たら姉妹が丹精込めて作った血肉の晩餐で【血の宴】を開くがいい 　 不愛想な話し方のつんつんした少女　 　人に甘えることが苦手であり　突き放すような言動をしてしまうが善良であろうとしており他者に気を掛けている 　 「お互い死なないように頑張りましょう、私もできる限り…協力しますから」 「皆さんの怪我が少なければ、それだけ優位に事が済みます。それだけですよ」 「…どうせ元は同じなんです…、無駄に捨てておくぐらいなら有効活用した方が良いでしょ？…そうに決まってます」 　長く続く戦争により多くの物を失ってきた世界　彼女は貧困に喘ぐ難民の一人だった 　そんな中でも彼女の家族はお互いを励ましあい　苦境に負けぬよう助け合いながら暮らしていた 　不安で愚図る幼い弟妹と寄り添い、遅くまで出かける両親へ兄弟姉妹みんなで笑顔で出迎え 　難民キャンプから飛び出しては小さな大冒険へ心を躍らせる 　何時の日かへの幸せを夢見る　ありふれた子供達だった 　だがある日不幸が訪れた　いつも食べ物を調達していた親達が何者かによって襲われ、食べ物を手に入るのが困難になった。 　劣悪な環境では治療などできるはずもなく、悪化していく傷を抑えながらも両親は食料を求めに行った 　それに心を痛めた子供達は、　自分達もこっそり食べれる物を探しに行く事にした 　「夕方以降は住処から出ないよ」という親からの言いつけを破り、親の後を付けていった 　だが、幼い彼女達のやさしさは、結果的に悲劇へと至るのである 　彼女の両親は、自分たちと変わらないであろう子供連れの家族を襲っていた 　子供達の親の傷は誰かに傷つけられたのでは無く、　犠牲者の抵抗によって出来た傷だった 　唖然とする子供達が見る中、　親達はすでに動かなくなった遺体を解体していった 　そして取り出した肉片は、いつも持ち帰ってきてくれた食べ物と一致しており 　今まで何を食べてきたのかを理解してしまう 　事が終わった親達は荷物をまとめ帰ろうとしていた時、異常を伺った住民によって取り押さえられてしまう 　子供達も我を取り戻し　このままでは自分達も危ないと急いで逃げ出したが、抵抗虚しく捕えられる 　ただ一人逃れられ、恐怖に身を震わせる彼女が家族と再会するのは、そう時間がかからなかった 　彼女の親達は化け物と処刑され、その子達も悪魔の落とし子として同様に処されるのであった 　彼女が最後に目にした家族の姿は　磔にされた二つのボロボロの肉片と　その足元で大人達に貪られる何かだった 　そうして彼女はかつての住処から去り、自らが暴かれるのを怖れ身を隠し生きる事を選んだ 　荷物も持たずに逃げ出した彼女だが逃げる道中で拾ったペットと過ごすことにした 　家族を失った事による寂しさと犯してしまった罪による罪悪感でボロボロになり歪み切った心の唯一の救いだった　 　集落を離れた彼女だったが生きていくには食べ物がいるが、不幸にも彼女は食べ物には困らなかった　今までと同じ物を食べればいいのだから 　かつて知らぬうちに食べてたそれに吐き気を催しながらも日々を耐え凌ぎ、彼女はいつか来るその日を求めていた 　今は懐かしき記憶の中のいつか来る幸せを夢見て 　 　少し経ったある時期を境に弱者を狙った襲撃が至る所で目立つようになった　それはかつて住民を怖れらせた所業に似た事件が繰り返されていた 　未だあの悪魔は生きていると騒がれ　恐怖心が人々から冷静さを失わせた 　そうして難民キャンプ全体に惨劇が繰り広げられる事となった　 　 　彼女達はただ外側から見続けていた、かつて家族を奪われた事への怒りは愚か、目の前の光景への恐怖すら湧かなかった　 　なぜなら彼女にとって今起こっている光景を直視する事に耐えきれなかったのだ　 　記憶の中の幸せだった光景が自分の業によって壊され　もう二度と手に入らない事を幼いながらに理解してしまったから 　 　銃声と怒声が戦禍に響く中、幸運か悪運か彼女は生き残ったが、彼女達以外にキャンプには生き残りは居なかった 　 　その日から死体をあさっては食いつないでいく日々が続いた。日々匂っていく死臭に心を荒ませながら 　日が経つにつれ食べれる物が少なくなり、彼女達は餓えに悩まされていった　 　餓えた獣が次に手を出すのが誰なのかは　ある種必然と言えるだろう 　何方かが先など意味は無く、必死に互いを喰らいあった 　死にたくないという一心で足掻いたその末に、彼女が生きている事だけが　彼女自らが唯一の家族を殺めた絶望を物語っていた　 　　無垢の幸せの裏で他者の幸せを喰らい　醜い死から逃れる為に死肉を喰らい　ありもしない明日を求め家族を喰らった　その蠱毒の果てに　 　　　　幸福を知る彼女はその終わりに満たされる事無く　血肉の中で餓死するのであった　 要約 　知らずの内に親が持って来た人肉喰ってたよ！ 　そのせいで家族がひどい目にあったよ！ 　死にたくないからペットと共に頑張って生きたよ! 　でも最後は飢えて死んじゃったよ!　以上!

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